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『薬屋のひとりごと』と電子処方箋のタイアップ

厚生労働省が『薬屋のひとりごと』という作品とタイアップしています。目的は「電子処方箋」の普及広報を図るため、とのこと。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/tieup/kusuriyanohitorigoto.html

『薬屋のひとりごと』とは

『薬屋のひとりごと』は投稿サイトの連載から始まった日向夏原作のライトノベルおよび、そのコミカライズ作品です。シリーズ累計部数は2024年1月時点で3100万部を超えており、大人気作品の一つです。2023年10月から全24話予定で放送開始されたアニメは、国内だけでなく海外でも高い人気となっています。
物語の舞台は唐の時代を連想させる中華風の架空の国ですので、もちろん電子処方箋など影も形もありません。ただ、主人公が養父ゆずりの薬学知識を使って王宮内の事件を解決していくあたりが、処方箋と親和性がないとも言えないところです。
月刊『厚生労働』2月号では、この『薬屋のひとりごと』の主人公が表紙を飾っており、主人公役声優である悠木碧のインタビュー記事まであって、それなりに力が入ったタイアップであることがわかります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202402.html

電子処方箋導入のハードル

作品人気にあやかって厚労省が広めようとしている電子処方箋ですが、これは文字通り処方箋を電子化するものです。複数の医療機関や薬局で、直近に処方・調剤された情報の参照や重複投薬のチェックなどが行えるようになるなどのメリットがあると厚労省のホームページでは説明されています。

ただ、残念ながら今のところは導入している医療機関も少なく絵に描いた餅状態となっています。
電子処方箋は運用開始からまだ1年ほどしかたっていないこともあり、本格的な普及は、まだまだこれからというところです。利用する医師や薬剤師が電子証明を取得する必要があり、設備の費用などともあいまって、現場での導入には高いハードルがあるようです。
マイナ保険証の導入も遅れていますし、政治主導の仕組みづくりは、現場での浸透に時間がかかるものなのかもしれません。
諸々の問題をクリアして、利用者にメリットの大きい形で普及するのが待たれるところではあります。

普及のあかつきには、その人にとっての薬の禁忌などがチェックされるようになって、「これ毒です(その人にとっては)」と『薬屋のひとりごと』の主人公の名セリフのようなことがわかるようになるのかもしれません。

私達にとってメリットの大きい仕組みとなってくれることを願います。

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