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【オーケストラ】としてのバイオリンと【ソロ】としてのバイオリン

 私は昨年2月からアマオケに所属していたけれど,結局胃痛が続いていた昨年9月に体調不良を理由として退団してしまった。初めてのアマオケで続けたい気持ちはあったけれど,

① 練習場所が遠い(ドアツードアで1時間半くらい)
② 月2回必ず参加することができない(今の仕事のシフトの関係から)

といった環境面からも継続は困難かなあと思うに至った。

 アマオケを退団して改めて振り返ってみると,アマオケでバイオリン弾くのと,ソロでバイオリン弾くのでは大分意味合いが違うなあと思ったので,今日はそれについて書いてみたいと思う。

強弱のつけ方,弾く速さ

 アマオケでは楽譜に書かれた強弱は絶対だった。あたりまえだけれど,全体のバランスやその曲の流れの中のシーンというものがあるから,ピアニッシモと記載されているのでれば,そこはピアニッシモにしなきゃいけないのだ。間違っても自分が弾けるからと言ってメゾフォルテで弾いてしまってはだめなのだ。
 それから,オケの弾く速さは楽譜に書かれているとおりに進む。多少,初見で弾くときなどはゆっくりで弾く場合もあるだろうが,基本的にはこれまた楽譜に指示された速さで進む。アレグロと言われたらアレグロなのだ。モデラートじゃだめなのだ。16分音符がやたら並んでいたりすると,音数が多すぎて弾けないのでゆっくり弾きたいところだが,ソロではそれが許されてもオケではそれが許されない。

「刻み」の有無

 教本で練習したりしていると,同じ音の刻みが何小節も続くなんてことはそんなにないと思うが,オーケストラの曲になるとわりとあるんじゃないか。そんなとき,自分以外のパートがメロディを弾いていたりするわけだが,刻んでいる私はちょっと物足りなくなってしまう。

その違いから見えてくること

 そんな違いから見えてくることは,私は【ソロ】としてのバイオリン向きなのかなと思ったりした。もちろん,単にオーケストラという形態に慣れていないだけかもしれないし,まだまだ初心者の域を出ていないからオーケストラの一員として技術的に不足しているという要素もあるかもしれないけれど,私は自分のペースで,その曲を自由に表現していくことが好きなんだということ。バイオリンは今や不完全ながらも「自己表現」の一つで,曲のどこを盛り上げるか,どういう風に弾くか,どういう音色を出すのかということに注力している。楽譜どおりに弾くように指示のあるオケは若干窮屈に感じてしまった。さながら会社組織の中の一員であるような,まあそれが悪いというわけでもないんだけれども。でも,日頃組織に属していてその窮屈さを嫌と言うほど感じているので、たまの休日くらいのびのびしたい(なんて)。

 もちろんソロのバイオリンにだって,教本にはいくつもの音楽用語で記載された弾き方の指示があるし,それに従うように求められるのだけれど,それには幅があるように思うのだ。そこには弾き手の自由度が一定程度あるので,オケとは違うんじゃないかなあと勝手に思っているが,どうだろう。

 それから,自分が好んで聞いている音楽も,オーケストラの曲というよりは,オーケストラをバックにしたものや、ピアノ伴奏つきのソロの曲が多い。このあたりの偏向は何なんだろうか?

色々考えていくと,今度は【オーケストラ】としてのバイオリンと【アンサンブル】としてのバイオリンの違いは何かってことが問題となるけれども,その話はまた別の機会に。


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