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118 お葬式、そして……

ワタシはかおるを抱いて先に葬式会場に向かう
もう身内は皆集まっていた

お父さんは○○会の人達と一緒に居た
お母さんは伊織さんのお母さんと一緒に居る
龍星は「さくら?店の従業員30名ほどとお客様達沢山来るから……
俺、受付するな?」

ワタシはコクリと頷く
そして、関係者席に行く

ワタシ「お母さん!この度は申し訳ございません!!」

伊織さんのお母さんは慌てて
「さくらさん…こちらこそ。伊織が
大変な事してしまって…」

あれっ
ワタシの話の事はお母さん知らない?

ワタシのお母さんが目くばせをした

ワタシは察した

先にワタシは伊織さんに会いにいく

伊織さんは綺麗に化粧をされていて
まだ生きてるような……

ックヒックヒック

ワタシは涙が止まらない
伊織さんの顔を撫でながらずっとずっと頬ずりをした
それとかおるとも手を繋がせたりしていた

*ごめんなさい…ごめんなさい…伊織さん……*

ワタシの横にはお母さんが来ていて
「もう皆様、集まるから……」
と言っていた

ワタシは関係者の所で立っていた

従業員が黒スーツでイスに座る
泣き声も奥の方から聞こえる

伊織さんのお客様達はショックで来れなかった人と暗い顔をした女の子達が入ってきた

えみなもいる

伊織さんの棺桶に皆1人ずつ線香をあげたり花を1本1本添えていた

女の子達は皆泣いている

えみなは伊織さんの身体ごと抱きしめてわんわん泣いていた

そして……
厄介なのが帰りに身内の所を通る事だ
従業員の子らは深々挨拶をして通っていく

ワタシはかおるを抱っこしながらドキドキしていた

伊織さんのお客様は*え*みたいな顔をしていた

ワタシは下を向く

その時

「おい!嘘つきさくら!お前許さねぇから!」

えみなだ
ワタシはえみなに髪の毛を掴まれて
引っ張られる

かおるが泣く
お母さんが止めるがきかない
喪服の手の端が破れた

会場は大騒ぎだ
従業員が止める

○○会の人達は変な顔をしていた
何故かミナトさんは居ない

龍星が気付いてワタシの所に来るまでにはワタシの顔はパンパンに腫れていた

かおるはお母さんが抱っこしてくれていた

えみなはかおるの顔を見て大泣きで
座り込んだ

ワタシは何も言えない

何も言えないよ
ごめんねえみな

えみなは龍星にもたれかかって会場を出ていった

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