うたかた

うたかたについて考え始めて
半月が過ぎた
なにもわからない
気がつくとわたしも泡沫になっていて
ぱくぱくと口を開け閉めする金魚に狙われている

海の自由を海藻が束縛して
魚たちには思想を仕舞う場所がない
常に大きな影に怯えて過ごすのだ

日差しのかかる水を泳げば
わたしも光になったみたい
一瞬も永遠も無い

金魚鉢の前に戻ると彼らは
素直に近づいて来る
素直に
前を見つめている

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