さらぬわかれ 74

「どうしてお前が刀を持っているんだ!」
恒太が恒孝に敵意を向けた。

「恒太、父を『お前』呼ばわりするのは感心しないなぁ。」
不敵に笑う恒孝。

「もしかして、貴方話を聞いていたの?」
波留日の質問に、
「そうだよ。立ち聞きして悪かった。」
と悪びれもない顔で刀を持たない方の手で妻の髪に指を絡ませた。
波留日の顔がカアッと赤くなった。

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