少年A

ボクらは愛を知らなかっただけで
ただ喰って 寝付いて 夜を越える日々に
ボクらは愛を見つけたかっただけ
朝になればシラっとした面(つら)で 息をする

生き抜く方法を ただ考えただけ
生き抜く本当を ただ歩いてただけ

愛をよく知らずに 愛を育む恋人達
目敏(めざと)いほどにボクらの社会を生みだす
愛はその言い訳 いつもボクらが迷宮入り
ほら ほら ボクらに手は差しだされないから
ほら ほら ボクらは今日も懸命に生きる 少年A

守るべきものは守ると身に付き
幼気な真心 蟻が蔓延(はびこ)るまま
それしかなくて やるしかなくてさ
蟻に喰われる前に喰ってやる 強くなれ

間違えた方法 ただ進むだけでも
間違えた誕生 理解だけはしてる

愛で戯れる大人 その愛は無責任でも
ボクらは産まれたんだ だから街を往くと
愛はガラクタだと ボクらが学ぶ とどのつまり
まだ まだ ボクらが生きることに意味はない
まだ まだ だけど泣いてる時間などもない 少年A

格好良さなんてとうに棄てた
プライドなんか棄てざるを得なかった
戸籍のないボクらの熾烈な闘いは
今日も続く 永遠に続く

愛を蹴って殴り 愛に助けを期待せずに
そうやって ボクらは大人になってしまう
愛の犠牲になり だから愛を利用はしない
そう そう ボクらは不快にも生きるしかない
そう そう 産まれたからには光を見たい 少年A

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