羅生門

2018年2月1日 07:12

扇子を広げたら開く羅生門
河岸にあるちょいとした遊郭
すれ違いざま『今度はあんたかい』
「姉さん彼奴(あやつ)は好き者であんすよ」
あっしらには決め事ない決められてない

ぞんざいな扱いを随分とするくせに
上等品のように毎晩毎晩取っ替え引っ替え
「お盛んで…」

寂しん坊よ此処に居るのは逆さ吊りの女
天に逝けず終(じま)いの羅生門

此処は現世でなく摩訶な異世界
見つけたら最後脱けずの遊郭
下駄の音鳴らし花緒は切れんのさ
「あっしらには敵も味方もないんす」
単に見染められた者が買われ行く処(とこ)

嫁よりも恋しゅうお方より宵を過ごす
鬼も喰えば癖になるようで味占め取っ替え引っ替え
「お盛んで…」

髪で隠せど此処に居るのは逆さ吊りの女
天に逝けず終(じま)いの羅生門

あっしら彼奴(あやつ)らが生きるから
精気を吸って生きて行けるのであんすけんど
どうやら気付いてない御様子で取っ替え引っ替え

寂しん坊よ此処に居るのは逆さ吊りの女
髪で隠せど此処に居るのは逆さ吊りの女
鬼の角あり此処に居るのは逆さ吊りの女
喰うも嗤うも此処に居るのは逆さ吊りの女
癖になるのは此処に居るのは逆さ吊りの女
天に逝けず終(じま)いの羅生門

「一度はおいで、あんたもお盛んで…」