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old memories―思春期―

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「健太」

健太は尻もちをついた。

夏海と顔が至近距離になった。

そして唇が重なった。

キスを長くした。

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「はっ、、」

健太は夢を見ていた。朝の日差しがカーテンから

差し込む中、健太は大の字になった。

「、、、、夏海」

夏海の顔がものすごく浮かんだ。

健太はものすごく恥ずかしくなった。

「はぁ、、」

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中学2年生の夏、健太は、

「夢の中で夏海とキスした」ということが

恥ずかしすぎるあまり、一時期

夏海を避けるようになってしまった。
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セミの鳴き声が響く中、健太は部活の

ショルダーバックを肩に背負い、そして

玄関へと向かい、階段を下りた。

その時、母親の七奈が健太に向かって言った。

「健太、顔真っ赤よ」

「、、、、うるせーわ!!」

健太は顔を真っ赤にしながら玄関を飛び出した。

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―部活中―

「なぁ、歌声聞こえねーか」

「川村じゃねーの?」

「川村って可愛いよな。」

健太はその同学年の部員の会話を聞いていた。

その時、ギターのハードケースを片手に

体育館の中へ担任の先生と入っていく

夏海を見た。

「あっ、川村だ」

「まじ可愛い」

「彼氏いんのかな?」

「てか、何あの大きいの 笑」

健太は思わずバスケットボールを落とした。

同じ部活でもあり、友達でもある

有村達也が、

「なっちゃんと何かあった?」と

ニヤニヤしながら聞いてきた。

その返答に健太は上手く答えれなかった。

「あのさ」

「ん?」

「やっぱなんでもない」

「絶対なんかあったやろーー笑
なっちゃんと!笑
絶対なんかあった!笑」

その時、夏海が健太と達也の方を見た。

「健太ー!有村くん!」

達也が「なっちゃーん」と言いながら

手を振った。

だけど、健太は無視した。

(フイ)

夏海がびっくりした顔になった。

達也は、申し訳なさそうに夏海に手を合した🙏🏻

その時、部員の1人が夏海に聞いた。

「川村ー」

夏海がその部員の方を向いた。

ハードケースからギターを出していたところ
だった。

「川村好きな人いんの?」

健太の心臓がどくんって鳴った。

夏海は少し困った顔になった。

そして夏海は

「おらんよー」と答えた。

その時、パス練習していた後輩のボールが
夏海に当たりそうになった。

その時、健太は戸惑いを隠せなかった。

1個上のバスケ部の先輩の有馬亮太が

ボールに当たりそうになる夏海をかばったのだ。

しかも抱きしめていた。

有馬は、パス練習していた1年の方を見た。

「おい、1年!!気をつけろよ!!」

「すみませんー。川村先輩
すみません。」

その後輩は夏海にも謝った。

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体育館が騒がしくなった。

「有馬、今、あの可愛い子抱きしめんかった?」

「ボールにあの子が当たりそうに
なったけんやろ?」

「有馬やるー」

有馬は、何もなかったように練習に戻った。

健太は、鋭い眼差しをして、ボールを無理やり

床に投げつけて、有馬の方に行った。

「有馬くん!!!」

「ちょっと、健ちゃん!」

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健太は、有馬に鋭い眼差しを向けた。

「川村に気安く触らないでもらえますか?」

「えっ、俺、あの子をかばっただけ
なんやけど」

「健ちゃん、やめーや」

体育館が騒がしくなった。

その時、有馬が爆弾発言をした。

「山村って、あの子の幼なじみよね?
もしかして、あの子のこと好きなの?」

鋭い眼差しを向けていた健太の顔が

赤くなった。

「違うわ。あんな奴好きじゃないし」

「健太?」

その時、声のした方を向いた。

夏海が、悲しそうな顔で立っていた。

「健太なんか大嫌い!!!」

夏海は怒った顔で、体育館を出ていった。

「ちょっと、、、夏海」

「へー、あの子の名前、夏海っていうんや」

「あんたは、黙っとけ!!」

名前を呼んでしまっている自分が

恥ずかしくなった。

「達也、ちょっと川村のとこ行く」

「なっちゃんに謝りよー。 
’’夏海’’って、健ちゃんが言よるん、めちゃくちゃ
久しぶりに聞いた 笑」

健太の顔がものすごく真っ赤になった。

耳も真っ赤になった。

健太は練習着のまま走って行った。

短い髪が風に揺れた。

「ひゅーひゅー」

「山村ーー!!」

「山村くんーー!!」

そんな声が聞こえながらも、健太は

夏海のとこに行った。

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健太は、割とすぐに夏海を見つけた。

夏海は教室にいた。

「、、、川村、ごめん。」

夏海は机の上でうつ伏せになっていた。

「寝とんかな?」

健太は、夏海の頭を触った。

夏海はドキッとした。

「、、、俺、ほんまは、お前のこと」

健太は、それ以上言うのをやめた。

その時、夏海が椅子ごと後ろに倒れた。

倒れたまま夏海は健太の方を向いた。

夏海の頬は赤かった。

「健太??」

健太は夏海の手を引っ張った。

夏海の手は小さかった。

夏海は立ち上がった。

その時、健太は夏海の両肩に手を置いた。

健太は下を向いた。

「、、、俺だって抱きしめたことないのに、
有馬くんのヤロー、、、」

「、、、健太、耳真っ赤 笑」

「うるせーよ」

「あはは」

夏海は笑った。

夏海との距離は近かった。

夏海の笑顔を見た瞬間、健太は夏海を

抱きしめた。

「、、、、健太??」

夏海の体温、ちょっとふっくらした胸、
夏海の息、

健太はめちゃくちゃドキドキした。

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健太は、ハッとなった。

夏海を自分から離した。

「、、、、ごめんな川村。じゃあ部活
行ってくる」

「あっ、私も体育館行かんといかん」

夏海は恥ずかしすぎた。

健太は、耳を真っ赤にして、先に教室を出た。

夏海と健太は、何も話さず無言のまま

体育館へと向かった。

(夏海の身体柔らかかったな)

健太は、ふとそう思った。

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