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2023/12/12 VORTEX

・仕事絵を取り敢えず提出まで終えたので、久々に映画館へ。

・伏見ミリオン座にてギャスパー・ノエ監督作品『VORTEX』を観た。

・『VORTEX』は、病におかされた老夫婦の死までの日々を画面を左右2分割にした映像で観せるという、ギャスパー・ノエ監督らしい変わった映画だった。

・左右の正方形の映像には夫婦それぞれの姿がジッと映し出されている。これはただ実験的な見せ方だなぁというだけの話ではなく、この映画で描かれている人の孤独さみたいなのを捉えるために効果的であったように感じる。

・この演出は、ふと目を離した隙に人が消えたりする事や、ただ独りで病に苦しんで死んでいくしかない事の恐ろしさをこちらに“体験“させてくる。とても嫌だった。そしてそれはいずれ自分も味わうであろう恐怖なので、輪をかけて嫌だ。

・思い出は失われていき、病に苦しみ、死は孤独で、大切な家や本も死後片付けられる…。じゃあそんな人生はなんの意味もなかったのかと言われると、そうではない。夫が買った花束が、妻が夫の背を撫でた手が、写真に映し出された2人の姿が、そうではないと語っているはずだ。

・なんなんだろうな。確実に面白い映画だったとは思うが、どう自分の中で落とし込めば良いものか未だに分からない。ただ言えるのは、とにかくめちゃくちゃ疲れたな…。

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