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「かしこさ」ってなんだろう?

雪山に行きました。


 
先週家族でスキーにいってきました。毎年夏冬とお世話になる
旅館の女将さんのお話です。
 
スキー場の近くですから、いわずとしれた豪雪地帯にあるその旅館から、朝でかけるときにだんなとこどもで車のエンジンをかけ、車につもった雪を下ろしたりしている作業中に玄関先で会話をしたのです。
 
この宿は山の環境調査に入る会社や電力関係者が仕事のために定宿にしていることもあり、観光で訪れるひとばかりではない宿なのです。そこで、この話を聞きました。
 
おかみさんはうちの子どもを笑顔で眺めながら、最近山関係の仕事を希望して調査会社に入り、数か月に一度ここから調査に行く人たちがいるんですが、その人達が代替わりしてかなり若いメンバーがはいってくるようになったんだそうです。その中にいる二人の若者の話をしてくれました。

若者二人の話



まずは25,6歳のA君がいました。
そのA君は高校を卒業するとすぐ、山の仕事がしたくて、この会社に入社し、当然山のことも良く知っているから、めきめきと
頭角をあらわし、その若さで現場マネージャー職についているんだそう。


ところが、昨年A君と同じくらいの年のB君が入社したんだそうです
彼は大学院を卒業し今の職について、その年にA君と同じ現場マネージャーになったそうです。ところがこのB君学歴はすばらしいんだけれど、
山のことも、人間関係もさっぱりだそう。おかみさんはみていて感じるんでしょうね。
 
その二人が1週間違いでその宿から同じ調査できていたときのこと。前日に雪が降り調査の日はかなり降り積もる予想だったそうです。A君は
誰よりも早起きして、同じ現場で働くみんなを時間通り現場へつれていくため、車の雪下ろし、山頂近くの天候の様子観察、道の状況を地元の人からの情報収集。
こんなことをてきぱきとこなし、みんなに号令をかけ定時に出発したそうです。
 

ところが

、翌週にやってきたB君みんなと同じタイミングで起床。朝ごはん。ようやく外の様子をみて、雪がふってる。では出かける前にみんなで
雪下ろしをしましょう。・・・そんなことをやっていると、とてもではないですが出発時刻はとっくにすぎているにもかかわらず、支度が整わなかったそうです。
それでもなんとか急ごしらえで出かけて行ったそうです。
 
その日は特に問題なく下山してきておかみさんはほっとしたんだそう。さらにおかみさんはこんな話をしてくれました。
 

なにもなかったからいいけれど

、自然相手はなめちゃいけないのよ。この程度と思っても毎年山で亡くなる人はいるの。
準備万端で、何度も通っているベテランだって条件が悪いと不幸なことが起きる。この二人をみてると、かしこさって何だろうって思うのよね。」
 
おかみさんと話していて、はっとしました。
たしかに高学歴ということは本人が努力して勝ち取った学歴という名の称号だと思うのです。遊びたい気持ちをグッと堪えて、勉強に励んできたのだろうと想像します。

野生の勘

しかし、生きていくことはときに身体で感じとったこと、覚えたことでないと役に立たない場面が存在するなと思うのです。例えば今回のような雪山の怖さ、急に雨が降りあっという間に増水するかもしれない夏の川遊び、例えば海外旅行で人がたくさんいるから大丈夫だと思っていても、少し道を外れると真っ暗で誰もいない。脇からどんな人が出てきてもおかしくない。。。怖いシチュエーションばかり上げてしまいましたが、こういうことって普段忘れていても、少しでも経験したことがあると、いざその場面にでくわしたとき、咄嗟に判断できると思うのです。「野生の勘」が働くというか。

優劣を決めるのではなく、頭の良さも、動物的勘も、どちらももちあわせていないと、これから先の世の中って厳しくなるんじゃないかな。そんなことを思った旅でした。
 

ま、平和なわけですが。


あいかわらず車の雪下ろしと、軒のつららを剣にみたてて立ち回りをする、雪にまみれた子供は、ただ楽しんでいるだけですが、
この経験がこの先この子の何かの助けになることを願うばかりです。

ブログも書いております。最近サボり気味ですがもしよかったらお楽しみ下さい。
ブログにはまだ英語でのカードリーディングと聴いてほしい音楽についてのみ掲載しております。他は随時拡張していく予定となりますので、長ーーーい目でみていただけると嬉しいです。

サラダ

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