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#61 メガネを建てる建築家②

前回に引き続き、JINS Design Projectについての話しています。

第1弾〜第3弾までの経緯を振り返りながら、1)第1・2弾と第3弾の違い、2)なぜこのタイミングで建築家を起用したのか、3)プロダクトデザイナーにできることと建築家にできることの違いは何かなどについて議論をしました。

以下はラジオでは話した内容をまとめながら、より深く考察したものになります。ラジオと合わせてご覧いただけると幸いです。

1)第1・2弾と第3弾の違い

①第1・2弾はプロダクトデザイナーがコラボ、第3弾は建築家がコラボ

②第1弾はメガネの「あるべきの形のデザイン」
第2弾はメガネの「原点のリデザイン」
第3弾はメガネの「可能性のデザイン」

③第1・2弾は「究極の形」のようなものを目指してる。第3弾は「これからの可能性」のようなものを目指している。

・・・「究極の形」を踏まえた上で「これかの可能性」に着手している点が重要

2)なぜこのタイミングで建築家を起用したのか

JINS Design Projectのコンセプト文のなかに三つの疑問文が記述されており、それらと各コラボが対応しているのでは?

①世界一美しいメガネとは?
・・・第1弾と対応?

②本能が心地よいと感じるメガネとは?
・・・第2弾と対応?

③この先、人間にとってのメガネとは?
・・・第3弾と対応?

コンセプト文とリンクする、という予想が正しければ第3弾までは、計画された流れであり、消費者側に対して予想できるようにあらかじめ伏線が張られていたことになる。

3)プロダクトデザイナーにできることと建築家にできること

①プロダクトデザイナーにできること
形に対してピュアに突き詰めていく能力に長けている。人体の構造や動き、肌感覚などと形との関係や、技術とデザインの関係について熟知している。

②建築家にできること
形としての魅力も担保しながら、未来への可能性を生み出すこと。完結した形でもなく、不完全な形でもなく、未来への手がかりを生み出す形。

③まとめ
プロダクトデザイナーはデザインしたモノの最終形に意味の比重が大きく傾いている。
建築家はデザインの過程や「企画」に意味の比重が大きく傾いている。


●第4弾についての予想

2)-③では、第1〜3弾まではあらかじめ計画されており、なおかつ消費者側に対して伏線が張られていた、ということを述べた。
そのことを踏まえて第4弾について考察したい。第4弾のテーマは現在性になると考えられる。今第3弾まで、普遍性・過去・未来についてのコラボを行なっており、ここに欠けているのが現在性、すなわち本当の意味での商品化。
第1〜3弾までに伏線が張られ、それ以降についての伏線は明確に張られていておらず、「メガネの本質からデザインするプロジェクト」という抽象的なテーマのみが語られている。
ここから想像できるのは、これからのメガネをデザインする上で生じたJINS側の疑問が、2)の項で述べた3つの疑問文であり、第3弾までのコラボでそれらの疑問を解消してきたということ。その上で迎える第4弾は「4回目」ではなく、今回のプロジェクトの本来の課題である、「メガネを本質からデザインする」に向き合う「本当の意味での第1弾」になるのではないだろうか。
そう考えると、第1〜3弾までの成果・蓄積を踏まえ、これからのJINS・これからのメガネのビジョンを指し示すような企画が出てくると予測できる。そしてそれは単に、形としてのメガネを提案することだけではなく、企他業界とのコラボ、別事業への展開、etcなど広範囲のレンジを持っている。
またこれまで外部とのコラボを行なってきたが第4段では外部コラボではなく、「内部での新しいコラボ」になるのではないだろうか。
JINS内のデザイナーや技術者といった内部の部署セクトや生産側/消費者といったセクトを越境して共に創造していく(=これからのコラボ)ような。それは、外部コラボで蓄積したノウハウを社内に還元する。新しい企画を示すだけでなく、会社としての新しい姿勢をも指し示すことでもある。

予想まとめ
①第4弾はJINSのこれからを指し示す企画になる
②デザイナーなどの外部とのコラボではなく、JINSの内部の部署セクトを超えて、新しい体制をつくる「内部コラボ」がテーマになる

以上、ありがとうございました。
是非、ラジオをお聞きしていただければと思います。


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