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「家賃値下げ」はこんなに損!?!?

家賃は大家さんにとっての生命線

不動産投資において、「家賃をいくらに設定するか?」はかなり重要な問題です。

そもそもなぜ不動産投資をするのかといえば、家賃収入を得るためですし、家賃収入がないのであれば不動産投資をする意味は当然無いですよね?

そして、その家賃を払ってくれるのは入居者さんですので、とにもかくにも、入居してもらえないことには不動産投資は始まりません。

どうすれば入居してもらえるか?

極論を言えば、周辺の競合物件よりも大幅に安い家賃で募集をかければ、当然、空室はすぐに埋まります。

しかし、この「家賃を下げる」という行為は、のちのちになって大家さんの身を滅ぼすことにも繋がりかねない重大な問題です。

それはなぜでしょうか?

その理由について、

①フローの視点

②ストックの視点

の2つに分けて考えてみたいと思います。

①フローの視点

例えば家賃50000円×8部屋のアパートを持っていたとします。

そんなとき、ある部屋に空室が出ました。

空室が続くことへのプレッシャーに耐えきれず、家賃を2000円値下げし、48000円で入居付けをしてしまったとします。

値下げした場合と値下げしなかった場合の空室期間の差が1ヶ月だったとすれば、オーナーは値下げをすることで約5万円多くキャッシュフローを得たことになります。

家賃を値下げしなかった場合は、値下げした場合に比べて毎月2000円多く家賃収入が入ってきますので、

5万円÷2千円=25ヶ月かかって家賃を下げた場合のキャッシュフローに追い付くことになります。

平均入居期間が2-3年であることを考えれば、今回の入居者が退去する頃にオーナーが得たキャッシュフローの合計は全く変わらないということになります。

※ここでは考え方を分かりやすくするために、キャッシュを早く手にすることの利点(時間価値)等は考慮していません。

それでは、家賃を値下げしようとしまいと、オーナーにとっては何も変わらないのでしょうか???

実はそうではありません。

知らず知らずのうちに、目に見えない資産価値を大きく失ってしまっているのです。

②ストックの視点

家賃を値下げした場合のキャッシュフローは大きく変わらないということを、前章で説明しました。

しかし、不動産投資は出口を迎えて初めて成功と言えるものである以上、常に出口が訪れたときの清算価値(仮に所有するアパートを売った場合に、結局どれだけのキャッシュが手元に残っているか)ということを理解しておく必要があります。

アパートを買う場合と同じように、アパートを売る場合にも「利回り」が重要なポイントとなります。

ここでは、利回り8%であれば売却できるアパートを所有している場合を想定して、家賃を値下げした場合としなかった場合の清算価値(売却価格)の差を簡単に計算してみます。

具体的な計算例:家賃を2000円値下げした場合の売却価格

48000円×8部屋×12ヶ月÷8%≒5760万円

となります。まぁ、これだけでは良いのか悪いのかよくわかりませんね。

具体的な計算例:家賃を値下げしなかった場合の売却価格

50000円×8部屋×12ヶ月÷8%≒6000万円

結構いい値段で売れますね~♪

そして、なんと①と②の差は、240万円です。

たった2000円の値下げが、最後の出口(売却)時の価格差としては240万円もの差になってしまいます。

しかも、売却までの毎月の家賃2,000円も取り損ねますので、例えば10年後に売却するような場合には、

2,000円×12ヶ月×10年=240,000円も失ってしまいますね。

結論、家賃値下げの恐怖は、アパートを売却するときに訪れるということですね。

ゆとり

『エンドのための情報』をポリシーに、エンドの皆さまに役立つ情報の発信を頑張りたいと思います🦆