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ブッフェマナーの基本のキ ー 意外と見られている、お食事のしぐさ ー

みなさま、ごきげんよう。

お久しぶりっこの投稿です。
いつもついつい気分が乗るまで放置しちゃいます。

さてさて、COVID-19の影響もあり、昨今は従来のブッフェを提供してくれるお店がなくなってきているのが切ない限りです。
日本におけるブッフェ(バイキング)発祥のお店、帝国ホテルのその名も「インペリアルバイキング」さんも所謂テーブルオーダー方式になっている様子...。

あ、因みにですが、日本でブッフェを「バイキング」と呼ぶようになったのは日本が誇るクラシックホテルの中でも特に「御三家」と呼ばれるホテルのトップともいえる帝国ホテルで当時の犬丸社長が北欧の「スモーガスボード」に着想を得て導入した際に、自由に好きなものを好きなだけ取ってくるスタイルを北欧の「バイキング」になぞらえてそう命名したからなのです。

詳しくは帝国ホテルで料理長を務められた村上信夫さんの著書『帝国ホテル厨房物語』や犬丸徹三氏や一郎氏の帝国ホテルに関する著書をお読みになってみてくださいね。おもしろいですよ。

それはさておきまして。

きょうのテーマは「ブッフェマナーの基本のキ」ですね。

まず一つ目。

「『元を取ろう!』と思わないこと」

そんなことを思わなくても、普通にご自身の食べたいものを、ご自身が満たされるだけ食べたら十分にお釣りがくるはずなのです。
ですので、気合を入れて朝から食べる量を減らして臨んだり、まるでブッフェ台の上の料理はすべてわたしのものよ!とでも言わんばかりに鼻息荒くブッフェ台に近づく必要はありません。
ましてや、たくさん食べたいからとすでに満腹なのにわざわざスカートやズボンのウエストを緩めるのもよろしくありません。

考えてみてください。

普通にホテルで3コース(前菜・メイン・デザート)のお食事を頂こうとすると、それだけでもホテルにもよりますが5,000円~8,000円ぐらいします。
どんなにお値段控えめなホテルでも3,000円はするでしょう。

ブッフェならば、ご自身でコース料理を組み立てるのでひとくち前菜に始まり、冷製の前菜、温製の前菜、スープ、お魚、お肉、デザート、食後のコーヒーや紅茶、さらにはもしかするとプティフールやミニャルディーズまでいただくことができる上に、それぞれ一種類以上のお味が楽しめるのです。
先ほどから例に挙げている帝国ホテルのインペリアルバイキングのランチで8,800円でいただけるのですから、これはもう普通に食べるだけで十分にお値段相応になるのです。

そして二つ目。

「自分がシェフになった気分でお皿の上にお料理を盛り付けよう」

お料理は舌であじわうだけでなく、五感でたのしみます。

そう、視覚のうつくしさ、目を楽しませること、それもひとつの楽しみなのです。
なので、これでもかとひとつのお皿の上にいろんなものをてんこ盛りにしないようにして、自分で自分のお皿を描くことをたのしみましょう♪

なお、一般的にブッフェはお料理の並ぶブッフェ台と自分のお席との間を何度往復しても良いのです。
え、また席を立つの?!
などということを言う方がこの場合は野暮というもの。
クオリティの高いレストランになればなるほど、最初の一皿を食べ終えて、次のお料理を取りに行っている間にテーブルの上のお皿はきちんと下げてくださいます。
ですので、一度使ったお皿を使いまわす必要もありません。
常にあたらしいお皿を自ら取り、その上に新しい絵を描くのです。

次に3つ目のポイント。

「自分でコース料理を組み立てる!」

ということです。
最初のポイントでも少し触れましたが、ブッフェで要になってくることのひとつに「自分でコース料理を組み立てるようにして、お料理を取ってくる」ということがあります。
ですので、いざブッフェ台を前にしたら、どれほど美味しそうなお料理の数々に心をときめかせようとも、メインのローストビーフ(ローストビーフが提供されていることが多いです・笑)に心が逸ろうとも!

まずは冷静にブッフェ台全体を俯瞰するのです。

それからコースを組み立てる。

ここで肝心なのは「コース料理は後戻りしない」ということです。
最初からいきなりデザートを取ったり、メインを食べたのに前菜に逆戻り...というのはあまりよろしくありません。

そして最後は...

「一度取ってきたお料理は完食すべし!」

です。

繰り返しますが、ブッフェは何度でもブッフェ台とご自分のテーブルを往復していいのです。
ですので、実際に自分のくちに合うかどうかもよく分からないのに、見た目だけで「美味しそう!」と思って山盛りよそってきたけれど、期待していた味じゃなかった...ですとか。
すべてのお料理を試してみたいわとご自分の胃袋の大きさと相談せずに最初から沢山のお料理を2皿も3皿も持って帰ってきたりして、途中でお腹がいっぱいで残す...というのはいけません。

「食べたいものを、食べたい分量(食べきれる分量)だけ」が基本なので、食べきれないほど取ってくるのは流石にタブーです。
昨今は「フードロス」という言葉も浸透するようになりました。残さずに済むように、ご自分のお腹と相談しながらお料理を取るように心がけると良いでしょう。

他にもブッフェのマナーは沢山ありますが、ひとまず上記4点を意識するだけでもまるで違います。

ここからはわたくしの個人的な思い出話になりますが、わたくしがマナーを学ぶ前、実は3番目のポイントだけ未だできておりませんでした。
ある程度は「コース料理風」にそれまでもしていましたが、冷製・温製のオードブルの中にはうっかりメイン扱いしてしまっていたりなど、今思い返せば「あちゃ~!」なコトもしておりました。
しかし、マナーをしっかりと学んだ後であるとき、当時の職場の方々と仕事を兼ねた昼食会であるホテルのブッフェに行ったのです。
そこで、学んだことを実践しながらお食事を摂っておりましたら、隣の部署だった男性から帰り際に声をかけられました。

「すごく綺麗に食事するんですね。それに、きちんと考えてお料理を取ってきているように見えました」

と。

まさか誰かがそんな風に自分を見ているなんて思いもしておりませんでしたので正直おどろきました。
しかも、声をかけてきてくださった方とは他部署ということもありそれまでに親しくしていた訳でもありませんでしたし、昼食会場でも同じテーブルではなかったのです。

「見ている方は見ている....!!!!!」

ものすごく実感したのを覚えています。

お食事の仕種は時に人間関係をも左右するとても大きなものです。

おざなりにせずに大切にすることで、人脈もチャンスも広がります。
それは普段のお食事でもあたりまえにそうなのですが、ブッフェなどは殊更に、ですよね。

より詳しいブッフェマナーはぜひ講座を受講しにいらしてくださいね♡と申し上げたいところですが、気兼ねなくお食事ができるようになるまでブッフェマナーは開催できる見込みがありません。

とても残念です。

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(写真は昨年のちょうど今頃に参加いたしました、ディズニーのミラコスタで行われたブッフェスタイルのパーティーで、わたくしが取って参りました最初の一皿です)

いただいたサポートはより分かり易く、お子さまにも楽しんでいただけるような教材づくりに役立たせていただきます。