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田舎の考察 ”家はDIY?完成品?”

今住んでいる家は築70年をこえた古い家なのですが、それをあちこち改装しながら住んでいます。かれこれもう10年ぐらい直し続けているのですが、まだ完成には至りません。たぶんこの先もしばらくは終わることはないのでしょう。壮大なライフワークです。

私はリアルタイムで「劇的ビフォーアフター」をテレビに釘付けで見ていたので、この家に手を入れる前には、ここはああしよう、あそこはこんな風に、とわくわくの妄想にふけっていました。

こういった古民家リノベーションは、私の周りにいる移住者の何人かも離農した家を手に入れて思い思いに直して住んでいます。

反対にこういった作業にはまったく興味のない移住者も、実はたくさんいたりします。そういった人たちはあちこちにあるお手頃な公共住宅(コウジュウと呼ばれる)に住んだり、運が良ければ新築を建てた後で事情により引っ越した移住者の次にすっぽりと入ったりしています。

正直なところ言いますと、一般の完成住宅のほうが設備が良くて快適に暮らせたりするので、うらやましいなと思うことも結構あります。やはり隣の芝はよく見えるのです。

こういった話を昔の友人にすると「そんなんどっちでもええんとちゃうの?」と冷たいお言葉が返ってきます。いやいやもっと興味をもってくれ、この先長い間生活する所のことなのだと説明すると、「そんだけ家賃が安ければ両方借りるわ」と。

「むしろ、その金額ならふたつ買う」とまで言われてようやくピンときました。友人は家を手に入れるか入れないかを判断していて、私はどっちのほうが暮らすのに大変なのかを比べていた事に。

その友人との話をほどほどに切り上げた後で、あまり褒められたことではないが、私はちょっとした贅沢な気分をひとり味わうことができた。こんなことで悩めるのは十分に楽しく暮らしているからのような気がしたから。

以前と比べて収入はがつんと減って、冬の寒さで水道も凍結するようなこの家で、悩んでいるふりをしながら実はそれを楽しんでます。結局、何に住んでも田舎暮らしは悪くない。さて、まずはいとしの我が家を完成させねば。

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