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余市蒸留所のウイスキー

写真にあるのは、日本のウイスキー蒸留所で、北海道にある「余市蒸留所」で造られたシングルモルトウイスキーです。
「余市」は、2014年9月からNHKの朝ドラの「まっさん」で多くの方がご存知ではないでしょうか。
さて、ラベルに「余市」と表記されているのは、全て北海道の「余市蒸留所」で製造されたウイスキーです。
その中でもラベルに10,12,20などの数字が表記されているものや、表記の無いもの、色のついた帯があるもの、全くデザインが異なるものがあります。
まず、10,12,20などの表記があるものは、熟成年を示します。余市12年なら12年以上熟成したウイスキーという意味です。
スコットランドの法律ではウイスキーと名乗るには3年以上熟成する必要があります。日本ではそういった縛りはないのですが、スコットランドの法律に習って作られています。
通常市販されている「シングルモルト」ウイスキーは、「一つの蒸留所で熟成されたウイスキーをブレンドしたもの」ということを示します。ウイスキーは通常50リッターから500リッターまでのオークの樽で熟成されます。「ブレンド」というのは、一つ以上の樽のウイスキーを混ぜるということです。
年数表示のない市場に出回っている「余市」は年数表示がありません。これはシングルモルトウイスキーですが、何年熟成のウイスキーが使われているかわかりません。ロットによっとブレンドされているウイスキーの樽の年数が異なる場合もあります。
「12」と表記のある余市は、正確に言うと「同一蒸留所で造られた」「12年以上熟成された」複数のウイスキーの樽をブレンドしたものであるということです。ですので、もしかしたら味や香りの調整のため20年熟成されたウイスキーが入っているかもしれません。
①は年数表記なしの余市で、通称で「余市ノンビンテージ(N.V.)」と呼びます。
②~④はそれぞれ「余市10年」「余市12年」「余市20年」です。これらは、すでにメーカーの販売を終了しています。
⑤~⑦は、カスクフィニッシュウイスキーと言いまして、通常バーボンウイスキーの樽で熟成した後、半年から数年別の種類の樽で熟成したウイスキーです。後熟とも言います。最後に熟成した樽によって、異なる香りや味がウイスキーに入ります。
⑤はマンサニージャというタイプのシェリー酒で後熟されました。
⑥はモスカテルというタイプのシェリー酒で後熟されました。
⑦はアップルブランデーの樽で後熟されました。
⑧は、少し特殊で、発酵時に使う酵母に通常と異なるものを使用しています。「余市アロマティックイースト」という名称です。
発酵の過程で、酵母によって様々な香りが生み出されます。これは様々な酵母を試されて、フルーティな香りを持つ酵母を選びだされたものです。また、30年以上熟成したウイスキーもブレンドされているようです。
⑨,⑩は、シングルカスクウイスキーで、一つの樽からのウイスキーだけがボトリングされたものです。ウイスキーは樽毎に個性があり、その個性を存分に味わってもらうためのウイスキーです。ただ、大変希少なボトルになります。
特に⑨の「原酒余市20年」は蒸留所限定品で、ドラマまっさんが始まる前に販売されていたものです。
⑩は余市10年シングルカスクウイスキーです。salon&bar SAMGHAの店主が2012年に余市蒸留所で行われた「余市マイウイスキーづくり」という一泊二日の研修で樽詰めしたウイスキーが10年熟成され、2022年12月に店に到着したものです。こちらも一樽だけの貴重なウイスキーです。余市蒸留所のウイスキーは「ピート(泥炭)」の香りを強調したウイスキーですが、余市10年シングルカスクウイスキーは新樽に詰められたヘビリーピーテッド(ピートの香りが強い)のウイスキーです。
一つの蒸留所でできたウイスキーでもこれだけのバリエーションがありますので、店においでの際にはぜひお試しください。
ただ、価格が高価なものもありますので、遠慮なく価格を聞いてください。また、高価なウイスキーはハーフショット(通常の半分の量)でも提供できますので、どうぞご依頼ください。

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