外国小説の読みにくさの理由について

 かねてより外国人作家の小説について、とっつきにくさのようなものを感じていた。興味を持って買うのだがついつい後回しになり本棚に積まれていく。このように感じる理由は何かと考えてみて自分なりに2つの原因を思いついた。

 1つは、翻訳の問題である。翻訳者は必ずしも小説を書くことに長けているわけではないこと、他方で小説家が訳した場合、その小説家の癖が出てしまう。特にサリンジャーのCatcher In The Rye の村上春樹訳は個人的に微妙であると感じた。

 2つは、違う国の文化や宗教(感)、教育制度を前提に物語が描かれるため、認識を共有している自国の小説とは違い、あまり重要でないところでつっかえてしまい、いまいちのめり込めないという状況になるのではないか。個人的にゲーテのファウストは、ギリシャ神話の知識を知っていたらもっと楽しめただろうと後悔した。

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