京極夏彦の語る妖怪と科学的な裏付け?

 鈴木祐の『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』では、ストレスを感じたときに使える100の対処法を科学的な裏付けのある論文から紹介している。その1つに「ネガティブ・ダストビン」という方法がある。これは、ネガティブな思考が浮かんだ場合にそれを紙に形として書き出し(思考の物質化)、それをびりびりに破いて捨てることでその思考を捨て去るという方法である。

 この科学的な方法を見て想起されたのがpodcastで聞いた京極夏彦の妖怪観であった。昔の人も妖怪が本当にいるとは考えていなかった。つまり嘘であると分かっていながら、嘘を方便として使っていたということである。具体的には、災害や飢饉など人間の力ではどうしようもないこと、原因も分からなければ対処方法もないような現象に対峙したときに、その漠然とした不安や恐れに妖怪や神という形を与えて、それを退治したり、鎮めたりすることで対処していたのである。妖怪が醜い姿や貧弱であるというのはそのためであるらしい。

 いささか強引な類推かとも思うが、後段で述べた妖怪観はとても興味深く誰かと共有したい考えであったので紹介させていただいた。まだラジオ版学問ノススメというところで聞けるので是非お聞きいただきたい。私の記憶が間違っていたらご指摘いただければありがたい。

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