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砂糖1トンの読書

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2023年の読書log

ブクログで今年の読書を振り返ると、例年より冊数は少なめながらも「いい本読めたな~」と思います。 (妊娠してびっっっくりするほど活字が読めなくなりました。新書はかなり辛い、小説も根気がいる、説明書もヤダ、一番つらいのがお役所の書類・・・) ■「私」時代のデモクラシー(宇野重規) 今年私が考えていたことの起点になった本。 「社会人」してるはずなのに、社会と私の間に距離を感じていたことがきっかけで読みました。 在宅勤務が多いせいか仕事をしていても社会にアクセスできていない感覚が

『パリの砂漠、東京の蜃気楼』

テレビ前のソファに寝そべり、ラグビートップリーグの決勝戦、今大会で引退する福岡堅樹選手の活躍を横目に見ながら、金原ひとみ氏の『パリの砂漠、東京の蜃気楼』を読んだ。夏の14時と同じくらいコントラストが強い。引退試合を最高の形で締めくくり、仲間と抱き合っている福岡選手と死にたい金原氏、私にどっちが近いかというと0.5:99.5くらいの割合で後者である。 SNSで見たこの本の紹介は、「痛い」とか「引きずりこまれる」とか、金原氏と自己を対比する形で書かれていたような記憶があるが、私

2021/4&GW 読書log

こんにちは。昨日の振り返りに続き、今度は4月とGWに読んだ本の記録です。ほとんどGW中に読みました。どれも満足度が高い読書経験でした。 ■買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて(山内マリコ) Twitterでフォローしている方も何人か紹介されていた気がする。もっと手の届かないお買い物エッセイかと勝手に思っていたけれど、今のわたしとちょうど同じ感覚の、あるあるあるあると1000回は頷いた(そしてそのたびに夫に音読して聞いてもらった)楽しい読み物だった。1年で一番高いお買い物が

2021/2 読書log

こんにちは。2021年2月の読書の記録です。 ■十二国記(小野不由美)2019年の10月に18年ぶりの新刊が発売された「十二国記」シリーズ。 当時はずいぶん話題になって、近所の本屋さんも「十二国記」一色になっていた気がします。 中学生の頃一度読んでいたのですが、実はあまり記憶に残っていなかったこの作品。 でも面白いかった覚えていたので、新刊発売頃にシリーズの最初の巻を買ってみたらドはまりし、一気に読んでしまいました。 行き帰りの通勤電車と、会社の昼休み、夕食後と時間を惜しむ

2021/1 読書log

こんにちは。今月から読書の記録をつけてみることにします。 2021年の目標の一つに「アウトプットに慣れる×頭の中を文字にする」を掲げており、その一環で始めました。 ■うかる!FP2級・AFP王道テキスト先週FP2級の試験があったので、1月前半はこちらにかかりっきりでした。FPの教本はいくつもの出版社が出していますが、こちらのデザインがすっきりしていたので。問題集ともリンクしているので便利でした。 FP2・3級の内容は、義務教育にも入れてほしいくらい。人生の必須科目ですね。

どこへも行けない今、どこにもない国の旅行記を読む

旅行記が好き。 特に、ヨーロッパの古典教養に通じた人が書く旅行記は大好きだ。 歴史、建築、芸術、宗教の知識が血肉となっている人がアウトプットした記録は解像度が高い。私だと同じものを見ても「はえ~すごいなあ」で終わるところも、「はえ~」に至った歴史をさりげなく語ってくれる。 ドイツ文学者・池内紀さんの「消えた国 追われた人々」は、一見ルポタージュのようなタイトルだが、かつてあった東プロシアという国をめぐる旅行記だ。 どこへも行けない今、楽しい楽しい旅行記に手を伸ばす元気はない

須賀敦子というひと

新婚旅行の合間に書いたメモがある。 それを再編集して記録したい。 14日間のハネムーン。 こういう羽を伸ばせるとき、夫はがっぱがっぱお酒を飲むので、往々にして私より寝るのが早い。あっという間に寝る。 素面の私はまだ寝る時間ではないので、ルームサービスでカフェラテなどを頼んで、ちょこちょこメモを残すことで手持ち無沙汰を埋めていた。 新婚旅行のお供として、当初町田康の「告白」を携えようと思っていた。 しかし、夫の蔵書にあると思っていたそれが見当たらなかったり、Amazon