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「10月のプールに飛び込んだ」、「風の音」、「隙間風よ」は三部作の物語だ。【櫻坂46 歌詞考察】

「僕」は誰にも邪魔をされない本当の自由を確かめたかった。
その証明方法が最強で、誰にも真似ができない。

青春とは主観と客観が共存する。
その相反するものを、同じ「10月のプール」に「飛び込む」という普通は結びつかない言葉で表現する。

青春という「10月のプール」に飛び込んだ。
それは僕なりの抵抗だ。
できるものならなってみろよ。

教室の窓からみんながこっちを見て騒いでいる。
その中の一人に「僕」の行動に感化されたもう一人の主人公がいる。

一線を超えることができる。
これは愚かでも最強でもある。

教師には呆れられているのか、何も言われない。
僕に興味がないのだろう。


君が急にいなくなった。
授業中に席を立って後ろのドアから正々堂々と出ていく。

今すぐ僕もそうしたいけどそこまで勇気がなかった。

君は青い空が眩しい屋上で何かを聴いている。
僕には君が雲ひとつない青空くらい完璧な存在に見える。

ここで重要なのは何を聴いていたかではなくて
聴きたくない何かあるんだろう。
チャイム聴こえないフリもしていた君は何を聴きたくないのだろう。


君は僕に振り向いて
「聴こえたでしょ?」
微笑む。

君には聴こえる「風の音」が僕には分からない。
君には何が聴こえているのだろう。
そして何故、僕は君に憧れているのだろう。

普通に幸せな日々。
僕は何が不安なんだろう。
親とか教師には充分期待に応えたはずだ。

僕には「僕」がない。
ずっと傍観者。
その他大勢側にいる人生。
僕がいてもいなくても世界はそれでも回る。
それならずっと僕のことは数には入れないでよ。

眩しいものをずっと見てるとくらくらして来る。

僕に聴こえるのは
微かに心に吹く、冷たく乾いた
虚しさという名の「隙間風」だ。

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