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fhs1stシングル「DREAM or DREAM」について

C92においてリリースしたフェアリー・ヘアリー・シチュエーションの1stシングル「DREAM or DREAM」をお買い上げいただいた皆様、どうもありがとうございます。

今のところ雑誌取材とかの予定はないですし、音楽系サイトに高い掲載料を払ってリリース記事をコピペしてもらうのも癪ですので、ここに自分なりの楽曲解説を書いてみたいと思います。

前回のノートにバンド結成までの経緯を書きましたが、第一の目標が夏コミでのシングルリリースでした。ということで、実は4月のライブ直後から曲作りを始めていました。しかし、あまりにもノリノリで自由気ままに作ったらアルバム用の曲という雰囲気で、シングル力(造語)みたいなのが足りませんでした。そこで5月は一旦曲作りを休止して6月から再開し、とりあえず6曲分のデモを作り、メンバー全員に聴いてもらいました。どの曲も概ね好評だったので、歌い手の北澤さんに選曲してもらい、3曲選ばれたうちの1曲を自分が外して今回の収録曲2曲を決定しました。

・DREAM or DREAM

ロック小僧を自称するベーシスト貝塚さん(バークリー大ギター科卒)の「やっぱりライブ映えするロックっぽい曲が1曲は欲しいですよね」という一言から出来た曲。個人的にはロックとかどうでもいいと思ってるんですが、貝塚さんの意見は絶対なので尊重して作らせていただきました。自分は仕事の曲、とくにアイドルソングを作る時はサビが盛り上がるように作るんですが、趣味の曲はあえてサビを盛り上がらないようにするのが好きで、この曲もそうなっています。そういう作風の意図的な差別化は仕事とか趣味とかあまり関係なく、ネタ切れの防止のためにもいつも心がけています。

ある意味とてもわかりやすくニューウェーブな曲で、80年代にイギリス人が日本市場を狙って作ったような曲調にしてあります。シンセはみんな大好きDave Smith InstrumentsのProphet-6とOB-6を使っていますが、この曲はProphetがメインでイントロに関しては1音色だけOBであとの6音色ほどはProphetです。曲調に合わせてダークな音作りにしてみました。時々ハッチャキさんの叩くアルトサウンドDS-4の音も聴こえます。

・utopia

今回というかいつも参考にしているJAPANの「Tin Drum(邦題:錻力の太鼓」という名盤があるのですが(アフィリエイターだったらここで確実にAmazonのリンクを貼るんですが、そういう人種ではないので貼りません)、その中の最後の曲「Cantonese Boy」という曲が大好きで、影響を受けて出来た曲です。ドラムとかベースのフレーズはあそこまで変態ではありませんが、和声感は結構キテると思います。メンバーのみんなからもそう言われました。この曲、実はサビのメロの跳躍とかが凄くて北澤さんに「キーとか大丈夫?もし歌いにくかったら変えるんで言ってね」と婉曲的な表現で伝えて様子を伺っていたのですが、「全然平気です」との返答だったので、レコーディング前は不安が雪だるま式に募りました。が、いざ、歌ってもらったら軽々と歌いこなしてしまって「この人天才だ!」とそれまでの認識が180度変わりました。

この曲はOB-6がメインです。クロスモジュレーションとかトレモロとか多用して変な音をいっぱい作りました。たぶん普通のキーボーディストだったら使わないような音ばかり…。やや投げやり感のあるシンセソロはProphet-6の音に内臓ディストーションをかけて原曲(いや、原曲などない!)に近い雰囲気を出してみました。

そんな感じで自分のパートを中心に書いてみましたが、今時珍しいドラムのゲートリバーブとか真空管サウンドじゃないギターとか、ハイとローを極限までブーストしてミッドのないベースとかツッコミどころ満載です!歌詞もアイドルソングと違って恋愛要素とか全然なくてひたすら耽美!「少女漫画のような世界観で」とお願いしたら、作詞のアリスさんはオーダー通りに書いてくれました。

曲を聴きながらこの文章を読んでもらった方がいいと思うのですが、まだCDを買ってない人も多いと思いますので、MVを貼っておきます。いつか絶対CD買ってくださいね。


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