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天野恵さんとの初コラボCD「Miss Liberty」について

M3-2019秋で新譜を出すに当たり、去年と今年「ファイナルファンタジーレコードキーパー」のニコ生でご一緒したヴァイオリニストの天野恵さんにお願いしたところ快諾していただき、自分としては珍しくインスト曲に挑戦してみることにしました。

天野さんは葉加瀬太郎さんが好きだと聞いていたので、大ヒットコンピレーションCD「イマージュ」に入っていそうな曲という安直なコンセプトを自分の中で決めて、曲作りに入りました。天野さんの「かっこいい曲と綺麗な曲」(だったかな?)というリクエストで、まずかっこいい曲の方から作り始めたのですが…意外に難航し、一度作ったデモがなんとなく気に入らず、完全に破棄してまっさらな状態から作った2曲目を採用しました。

今風にEDM的なアプローチも考えたのですがしっくりこず、いろいろ悩んだ挙句YMOの「東風」や「ライディーン」、教授ソロの「Riot In Lagos」からインスパイアされた短いモチーフの繰り返しによるメロディーに変則的なドラムパターンと16分の動きの細かいベースで疾走感や激しさを足してみました。

「Miss Liberty」というのはアメリカの「自由の女神」の愛称なのですが、東洋的テイストが入っているのは香港のデモのニュース映像を見てできた曲だからです。freedomは「最初から与えられた自由」、libertyは「戦って勝ち取った自由」という言葉の意味の違いを噛み締めつつ作りました。

逆に2曲目の「Peaceful Sky」は比較的安産で、この夏にNHKのEテレで観た「ひろしま」という原爆映画の超大作に感銘を受けてできました。平和だった空からいきなり悪魔が降ってきて街は一瞬にして火の海に。なんの罪もない人々を地獄に突き落とす。そんなフィクションのような実話に「こんな理不尽なことは二度とあってはならない、空は未来永劫平和であってほしい」という気持ちを込めて作りました。鳥の鳴き声のイメージのシンセのSEやゆったりしたリズムで平和で牧歌的な雰囲気を出してみました。この曲もペンタトニックを使っているので東洋的です。

ちなみに「ひろしま」のヒロインは広島出身の月丘夢路なのですが、天野さんも広島出身ということでなんとなくイメージが重なって「この曲を天野さんに弾いてもらえてよかった」と心の底から思いました。

こうして文章にするとすごく政治的意図を持って作られたCDのような感じがしますが、「みんなが幸せな世の中であってほしい」という素直な気持ちで作った作品なので、どうぞリラックスして聴いてください。

最後に簡単なMVを貼っておきます。


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