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天野恵さんとの第2弾コラボCD「Winter Lullaby」について

ヴァイオリニスト天野恵さんとのコラボ第2弾CD「Winter Lullaby」についてですが、10月末のM3で頒布した初コラボ作品「Miss Liberty」から2ヶ月でのリリースと、自分としては早いペースでの制作となりました。実はM3が終わった時から漠然と次の作品を考えていたのですが、自分の本業がちょっと立て込んでいたこと、PCを新調して制作環境が大きく変わったこと、12月は天野さんが一番忙しい時期であることなどから冬コミでは難しいかなと思って遠慮がちに考えていました。

でも、どうしても作りたい衝動が抑えきれなくなり、勇気を出して天野さんに相談してみたところまたしても快諾していただき、実現しました。ただ、天野さんは年末のツアーサポートやテレビ出演(FNS歌謡祭、Mステスペシャル、紅白など)で引っ張りだこで本当にスケジューリングが大変で、レコーディングの候補日も2日ほどしかなく、かなり無理を言って日程を空けてもらいました。ツアーは長い移動時間もありますし、比較的移動時間のかからないテレビ出演でも当然リハで何日か拘束されますし…人前で演奏している時間だけが仕事ではないのです。

そんな綱渡り状態でレコーディングの日程が決まり、そこから曲作りが始まりました。まず「Spring Scenery」の方からメロディーが浮かび、新春のおめでたい感じを出そうかなと初期のYMOっぽい路線で作ってみました。たぶんYMOチルドレンは気に入ってくれるだろうけど、YMOに興味のない層には響かないだろうなといたずら心を込めて。その関係でメロディーの4度下で強引にハモらせてるんですが、実はレコーディングの時に天野さんからサビの終わりの音の和声に直しが入りました。それは想定の範囲内でしたのですぐ修正しましたが、最後のサビだけは「ここだけは印象を変えるために元の和声で行きましょう」と提案してくれました。そういうバランス感覚がいいなあと思います。

「Winter Lullaby」はフォーレの「パヴァーヌ」を聴いていたら印象派とバロックの中間みたいな曲を作りたいなあと思い、出来た曲です。静かなダブステで黒人ダンサーが踊ってる映像がなんとなく忘れられなくて、ダンスミュージックとしてもバレエ音楽としても流せるようなバラードを狙ってみました。この曲はほとんどアルペジエイターで演奏されていて、なるべく音譜データを打ち込まない「打ち込み音楽」に挑戦してみた実験作品でもあります。

ちなみに本当は「Spring Scenery」が1曲めの予定でデザインとかも進めていたのですが、「Winter Lullaby」の出来上がりが予想外によくて気に入っていたら天野さんも気に入ってくれて「この曲を表題曲にしませんか?」と提案され、即決。プレス用マスターデータを送る直前に曲順を差し替えるという暴挙に出ました。あと10分遅れていたり、何かミスがあったら冬コミに間に合わないところでした。

そんな波乱の中完成したこのCDをぜひ手に取って聴いてください。


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