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天皇賞春 2023 全頭評価

*五十音順

アイアンバローズ

3000メートル超のコースでないと先行できないために阪神大賞典から距離が伸びるのはプラス。また岩田ミライJと手が合っていないように見えていたために鞍上変更もプラス。先行して粘り込めればというところだが、前走阪神大賞典で上位につけられた差は大目に見ても大きく今回はさらに相手関係が厳しい

アスクビクターモア

菊花賞の競馬がとんでもなく強く、淀みのないハイペースを離れた2番手で気分良く追走した恩恵はあったが、前が崩れる展開で前で粘りきり追い込んできたボルドグフーシュに抜かせなかったのを見ても、ドウデュースとイクイノックスの2強に次ぐ現4歳世代のエースであることは疑いようがない。
問題はディープインパクト産駒の鬼門である斤量58キロで、初めて背負った前走日経賞では大きな出遅れをしたあと、そこからポジションを上げてくることもできなかった。本番は天皇賞春であったために、当時の不良馬場で無理をさせる必要はなく田辺Jが回ってきただけに見えるが、それでもこれまで大崩れのなかった馬がここまで崩れるのを見ると、やはり馬場と斤量の影響を楽観視することはできない

アフリカンゴールド

阪神大賞典ではこの馬が気持ち良くドスローに落として楽に逃げられたことで展開が向いた。中距離よりも長距離で悠々と競馬できるのがいまは合っている。馬場も渋って良く、当日も逃げるとはいかないまでもタイトルホルダーの番手あたりで進めることができれば。ただ今回はペースが阪神大賞典ほど緩むとは考えづらく、アスクビクターモアなど前で競馬する馬も多いことで展開が向かない可能性も高い

エンドロール

2勝クラスからではさすがに厳しい

サンレイポケット

力のある馬ではあるが、阪神大賞典で上位につけられた差を見るとやはり厳しいように見える。また、左回りの方が得意か。加齢もあり積極的には推せない

シルヴァーソニック

レーンと手が合っていて前で粘り込む競馬ができるようになった。日本長距離G2レベルならいまは勝てるように見える。前走のレッドシーターフも最内枠から全く危なげのない競馬で粘り勝ち。焦点はタイトルホルダーなどの一線級と渡り合えるほどの実力を身につけているかどうかのみ。去年の天皇賞春は落馬で測れず今回が試金石。だがどう考えても相手関係が強い。過剰人気しそうで疑っても

ジャスティンパレス

神戸新聞杯や阪神大賞典の快勝を見ると明らかなように、この馬は道中をスローで行き、最後に少し末脚を使う形になればものすごく強い。お散歩からのショートスパートが勝ちパターン。前走阪神大賞典はアフリカンゴールドのドスロー逃げによりこの馬には限りなく展開が向いた。この馬の得意なパターンでしっかり勝ったというだけで新味は見られなかった。今回はタイトルホルダーやアスクビクターモアがいることで、前走のように展開が向くとは考えづらい。長く脚が使えるタイプではないために位置取りも重要。
またアスクビクターモアと同じくディープインパクト産駒の58キロ。こちらは初めて背負うがこなせるか

タイトルホルダー

昨年の有馬記念では、凱旋門賞の田んぼ馬場を一生懸命走った疲れが出ていたように見える。実際に返し馬から元気がなくいつものタイトルホルダーという感じはなかった。有馬と凱旋門を除けばここまで崩れておらず、さらに自身の得意とする長距離かつ中距離より1枚落ちる相手関係で死角はない。京都は少し前が有利なフラットで恩恵はあれど不利に働く要因は見つからず、自身が逃げてペースをつくるならばなおさら。前走日経賞では力の違いを見せつけた形。ライバルとなりそうなアスクビクターモアは斤量不安もあり、現時点でこの馬が崩れるパターンは考えにくい。◎候補

ディープボンド

阪神大賞典の敗因はペースであり、勝ちに行くならアフリカンゴールドをさっさと抜いて自身でペースメイクする必要があった。上がりは自身のベストに近い34.7が出ていてこの馬はこれ以上の上がりは出せない。スローからの瞬発力勝負になったことでもはや勝ち目はなかった。しかしそれでも差のないところまで来ていてスタミナも切れていないところを見ると衰えは見えない。有馬記念はタイトルホルダーと同じく凱旋門疲れが見えたと同時に不利な大外枠で参考外。幸いタイトルホルダーがいることでスローになるとは考えづらく十分巻き返しに期待できる

ディープモンスター

金鯱賞で期待したが位置取りが悪く直線では前が開かずに詰まってしまい参考外。前が開いていればもう少し着順を上げていたとは思うがその場合はマリアエレーナなども抜けられたはずで、重賞は勝てそうだけど果たして…というのが正直なところ。この馬を評価するなら現時点ではマテンロウレオを上にとりたい。ディープ産駒の58も割引

ディアスティマ

復活の兆し。前で悠々と行ければ強い馬で時計のかかる馬場の方が得意。日経賞では馬場が渋り限りなくこの馬に展開が向いて3着。それでもボッケリーニをかわせないのがこの馬の現在地か。京都はある程度時計が出ている。ディープ産駒の58キロは割引

トーセンカンビーナ

近走が負けすぎでヒュミドールにも大差をつけられている現状ではここは厳しいか。ディープ産駒の58キロは割引

ヒュミドール

内枠からの競馬が得意で今回も内枠をとることができれば評価を上げたい。ただ相手関係が大幅に強化されていて厳しい

ブレークアップ

ジャスティンパレスと同じくスローからの瞬発力勝負に強い。スロ専。しかし同条件ではジャスティンパレスから1枚落ちる。今回は阪神大賞典のようにスローになるとは考えにくい

ボルドグフーシュ

前走阪神大賞典では川田Jのテン乗りで、この馬を先行させた場合はどこまでやれるかを試した乗り方に見えた。ジョッキーや陣営のレース後コメントを見ても明らかな試走。好位で追走して最後に少し脚を使うやり方では、この形を得意とするジャスティンパレスに負けるとわかったことが収穫。この馬は、その脚質からG1特有のペースがしまった展開でこそ力を発揮できる。天皇賞春では、これまで好走してきた菊花賞や有馬記念のように、勝負所を見極めて早めから上がっていき、ロングスパートでの差し切りを目指す競馬になる。鞍上が長距離を苦手にしていることが最大の懸念。だたリバティアイランドなどの乗り方を見る限り、ただ支配して好位をとる乗り方一辺倒だった頃とは少し変わってきたようにも見える。◎候補

マテンロウレオ

大阪杯での完璧な騎乗で4着。悪く言うと底が割れた。重賞は獲れるがG1では少し届かないというのがこの馬の現在地。おそらく陣営もそれがわかったことで中距離よりもレベルの落ちる長距離G1を試してみたいのだと考える。クラシックを通ってきた馬で実力はありダービー5着のプラダリアと差はない。長距離をこなせれば

メロディーレーン

重賞では厳しいのが現状だが馬場が渋るなら少し評価を上げたい


まとめ

タイトルホルダーやアスクビクターモアがいることで、阪神大賞典のドスローとは全く違う展開になると思っているので、阪神大賞典で届かなかったボルドグフーシュやディープボンドを上位にとります。
また、ディープ産駒の58キロを少し軽視してしまう傾向が私にはあるので基本的に人気馬ではタイトルホルダーとボルドグフーシュを上位評価しています。
ディープ産駒の58キロですが、克服するなら長距離だと思っています。斤量は出足に響きやすいと思っているので長距離では影響は最小限でしょう。
考え方として、タイトルホルダーのような馬に、最大出力が出せない可能性のあるディープ産駒が勝てるだろうか?というところ。
今回ディープ産駒が勝ったなら、今後長距離でディープの斤量の呪いは全く気にしないことにします。これまでディープ58は絶対に本命にしてこなかったしそれが正解だったので、データブレイクされるまでは続けようかと

◎1着候補
タイトルホルダー、ボルドグフーシュ

△2着まで候補
アスクビクターモア、ジャスティンパレス、ディープボンド、マテンロウレオ


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