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元気が出ない時は、近くの誰かの手を借りる。

こんばんは。今日もカンボジアのおへそからSambor Villageです。

本日は、ちょっと自慢させてくださいよ、ということがありまして。
アクセル全開で自慢します。Sambor Villageの人たちのこと。

先日、古い友人がそのお仲間の方々とホテルを訪ねてくれることになりました。
9年ぶりの再会で、その友人も私も会った当時とは全然違う道に、今いる。
期せずしてその友人も宿泊業に関連したお仕事で、これまでもFBで時おり、その施設のイベントなどをセンスいいな〜かっこいいな〜と思って見ていました。

みなさんが来る直前。
プノンペン滞在を終えて、よし、ホテルに移動するぞ、と思ったら。いつもお世話になっているバス会社が「人の輸送は一時的にやめました。今は荷物だけ承ってます。」と。急なことで、その日は移動が叶わず・・。がびーん。

お客様が同業系の方だから、前日入りして現場の様子を確認しておきたかった。
が、止むを得ず、マネージャに電話をして「かくかくしかじか。行けなくなったんだけど、明日来るみなさん、宿泊関連の方々だから、ちょっとソワソワするんだよ。たぶん大丈夫だと思うけどね。」と素直な心情を伝えた。

すると、彼女が言った。
「了解。でも、いつものSambor Villageを見せたら大丈夫でしょう。」と。
そのトーン、イケメン(女子だけど)。
電話の向こうで、ちょっと不敵に微笑む顔が見えるよう。

「そっか。そうだったわ。どんなお客様でも同じ1人のお客様。1人の人として、対等に向き合うのがSambor Villageっていつも私が自分で言ってたじゃんね。オッケー、ではよろしく頼んます。」

と電話を切り、翌日私はお客様とほぼ同じタイミングで到着。
庭にはすっきりとした空気が流れていて、スタッフも人数多くて活気がある。
あれ?今日、なんか朝番メンバー、いつもより多い?
なんとなくエネルギー密度が高い気がする。ひとつ前の記事のパンツのゴム状態とちょっと違う。いいじゃない、いいじゃない。

このところ連日部屋数少ないから、みなさんがきてくれてエネルギー値が上がってよかったな〜と思いながら2日間をつつがなく終える(と思ってますけど、どうだっただろうか)。

翌日はまたお客様が少ない日(今月・・くぅ!涙)。
朝番メンバーの1人。明らかに魂が抜けている。声をかけると涙が溢れる。
知っているよ、ここのところ、この家庭は課題が多い。隣に座って話を聞く。
「辛い、と思う瞬間を抜け出すために、他の人の力を借りるって大事だよ。」
自分で自分の元気を出してあげられない時もある。
そういうときは職場のチームの出番、それがSambor Villageさ、と。

ひとしきり心の中が出し尽くされたのを見計らったように、仕事の合間になんとなく何人か集まってくる。
人生のサプライズ出来事は誰にでも起こり得るし、いつだって突然来る。
お客様みたいに、事前に連絡あったら準備もできるけど、予約なしだからね〜。
「今後は予約お願いします」って紙でも貼っとく?とか言ってみんなで笑う。

すると、ひとりが、ボスに見せたいと携帯で動画を探す。
「今のね、元気ないときは、の話なんだけど、これ、見てください。この間のホテルをやってるお客さんたちが来た日の朝。」

そう前置きして再生された動画には、緑の眩しい庭の中央にある池の中の島とそこで助走の構えをするメンズスタッフ。周囲からできる!とか携帯気をつけて!とか声がかかる。どうやら、ジャンプして対岸まで行けるかどうかチャレンジするらしい。
そして、3,2,1のコールとともに見事に池を飛び越え、着地。
続いてもう1人も飛んで、成功。わーっと歓声が上がる。

遊んどんのかーい!
池に落ちたら濡れるやないかーい!
という私の心のツッコミをよそに、周りの面々は動画を見てまた笑う。

「ボス、この日、朝番メンバーほぼ全員で庭の手入れをしたんです。リーダーから、ホテル関係の人が来るってボスが緊張している。Sambor Villageの本気を見せなさいって朝イチで連絡きてたから、4回もルームチェックに行ってね〜、ね!」とさっきまで魂抜けてたスタッフも、うんうん、と笑っている。

「みんなで集まってぎゅって仕事したら楽しくて、楽しくて。それで、その後、この飛ぶやつをやったんですよ〜。あー、楽しかった!で、このすぐ後に、ボスとお客さんが着いたんだよ〜」と。
なんか、えらく活気があるなと思ったのは、これだったのか。

仕事中に遊んでんじゃねー!って反応もできる。

でも、実はこの動画を挟んで頷きあっている2人が、今月の私の気がかりだった。どちらも仕事ではなく家族の方に課題を抱えていて、とにかく元気がない。笑顔は見せる。でも、そこに無理な力みがあるのはチームならわかる。
その2人が、声を上げて笑っている。みんなでやったら、楽しかったし、めっちゃ頑張れたと言っている。

じゃあ、よし。

他の場所は知らないけど。Sambor Villageは、よし。
なぜならスタッフのエネルギー感は、ホテルの状態に多大な影響を与えるから。

1人で元気を出せないときは、周囲の他者の力を借りる。
1番シンプルに元気をもらう方法は、一緒に汗を流すこと。一緒に笑うこと。

それをスッとやっちゃうこの人たちが愛おしい。

そして、私には「いつもの顔でいいじゃない」と不敵に笑って見せながら、その裏で現場には「いつもの顔を磨いておけよ」と指示を怠らないうちのリーダー。
イケメンが過ぎるのよ(女子だけどね。)
私よりずっと肝が据わってて、統率力があって、男気溢れるうちのジェネラル。この人たちのおかげで、本日もSambor Villageは地球と一緒に回っています。

リーダーも、池を飛んだ男も元気が必要だった人もこの生態系の中にいます

人が生きることの本質を知らずに体現している、こういう人たちがいるから、ここでホテルをやっています。
いつかこの場所に、この人たちに会いにきてほしい。
この不思議なエネルギーに触れてほしい。
触れた側の人たちも、ちょっと笑っちゃって、出どころ不明の謎の元気が内から生まれてきます、きっと。

2024.4.24 満月の夜。今世界に不足しているのはこの力だと思う、本当に。


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