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ジュラシックパークとターミネーター:続編の明暗を分ける鍵は何か?

こんにちは!クソサメ映画ウオッチャーの鮫サメ子でございます🦈

皆さんは人気作品の続編制作についてどのようにお考えでしょうか?素晴らしいサーガへと進化することもあれば、ストーリーが方向性を見失い、残念な結末になってしまうこともしばしば…。

そこで今回は、大ヒットシリーズ「ジュラシックパーク」と「ターミネーター」の続編の明暗を分ける要素について語りたいと思います。どちらも映画史に名を刻んだ名作ですが、続編に関しては明暗が分かれていますよね。それでは、何がその違いを生んでいるのでしょうか?両シリーズのネタバレもあるのでご注意ください。

恐竜たちの栄光とサイボーグの挫折:ジュラシック・パークとターミネーターの興行史

「ジュラシック・パーク」は1993年に公開され、名監督スティーブン・スピルバーグが手掛けました。当時、革新的なCG技術を用いた作品として大きな話題を呼びました。その後、「ロスト・ワールド」、「ジュラシック・パーク3」、「ジュラシック・ワールド」、「ジュラシック・ワールド:炎の王国」、そして「ジュラシック・ワールド:新たなる支配者」が立て続けに公開されました。最終作は意見が分かれるものの、シリーズ全体を通して大成功を収めたと言えるでしょう。

一方、「ターミネーター」は1984年に公開され、こちらも名監督ジェームズ・キャメロンによって生み出されました。低予算ながら大ヒットを記録し、1991年に公開された「ターミネーター2」では、ジュラシック・パークに先立ってCG技術が導入され、これもまた前作を超える大ヒットとなりました。しかし、「ターミネーター3」、「ターミネーター4」、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」、「ターミネーター:ニューフェイト」と続く作品は、評価が低迷。興行成績も次第に低下し、最終作では過去最低の興行成績を記録してしまいました。

シンプルvs複雑:ストーリーの違いがシリーズの運命を分ける

ストーリーの違いも明暗を分ける一因でしょう

ジュラシック・パークは、クローン技術で恐竜を復活させ、恐竜のテーマパークを作るというシンプルなストーリー。しかし、そのシンプルさゆえに、様々な展開やアイデアが生まれやすく、ストーリーの幅が広がります。これにより、観客はシリーズを通して飽きずに楽しむことができます。

一方、ターミネーターは機械と人間の戦いを描き、未来の人類のリーダーであるジョン・コナーを抹殺するため、機械側が過去へタイムスリップして彼や彼の母であるサラ・コナーを狙うという複雑なストーリー。そのため「ジョン・コナーを抹殺する」という核心部分を外すことができず、ストーリーの幅が広がりにくくなっています。最新作「ターミネーター:ニューフェイト」では、ジョン・コナーが死んだことにしてストーリーの幅を広げようとしているものの、観客の多くはそれまで続いてきたジョン・コナーとサイボーグとの戦いのイメージを脱却できず、このことがターミネーターの続編が失敗に終わる原因の一つとなっていると思われます。

1に出てくるカイル・リース。彼はジョン・コナーの父であるが、子供の時にジョンに憧れ、抵抗軍に入ったジョンの部下でもある(ややこしい💦)

「ジュラシック・パーク」は、シンプルなストーリーの中にも様々な展開やアイデアが生まれやすく、観客を飽きさせずに楽しませることができます。一方で、「ターミネーター」は、複雑なタイムトラベルの要素が絡むことで、ストーリー展開が限定され、新鮮さを保ち続けることが難しくなってしまいます。この点が、二つのシリーズの成功と失敗を分けた大きな理由かもしれません。

キャラクターの魅力:恐竜たちの新鮮さとターミネーターの変遷

「ジュラシック・パーク」にはグラント博士(サム・ニール)、サトラー博士(ローラ・ダーン)、そして数学者のマルコム(ジェフ・ゴールドブラム)といった魅力的な人間のキャラクターたちが登場しますが、やはり真の主役は恐竜たちですね!子供の頃から私たちが夢中になる恐竜が、映画の中で画面いっぱいに繰り広げられるアクションや冒険は、観客を魅了する要素になっています。

さらに、シリーズを通して新しい技術や恐竜が次々と登場することで、続編でも新鮮な驚きが尽きないのが「ジュラシック・パーク」の大きな魅力のひとつです。この点が、観客がシリーズに飽きずに楽しめる理由と言えるでしょう。

何年経っても恐竜は変わらない!

一方、ターミネーターは我らがシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーが演じるターミネーターがシリーズの看板です。彼の存在感と演技力は圧巻で、シリーズの顔とも言える存在。しかし、シュワちゃんが出演していない続編では、ファンからの評価が低くなることがしばしば…。さらに、人間である彼が年を取ることで、サイボーグとしての役柄に違和感が生じることも…。「ターミネーター:ジェネシス」では、その違和感を解消するために、ターミネーターが覆っている皮膚は人間の皮膚を使用しているため、同じように老化し、人間社会に溶け込むことができるという説明がされていましたが…。

俳優としては渋くなったが…

さらに第二作目でエドワード・ファーロングが演じたジョン・コナーは、非常に印象的な役割を果たしましたが、彼の私生活の問題や体型の変化により、映画に出演する状態ではなくなってしまいました。このため、第3作目以降ではジョン・コナー役の俳優が変更されました。これがシリーズに影響を与えた要因の一つであり、観客にとっては大切なキャラクターが変わることで違和感を感じることがあったでしょう。

ジュラシック・パークはCG技術を活用し、主要キャラクターである恐竜を半永久的に再現できるため、シリーズ全体が新鮮さを維持しやすいのです。一方、ターミネーターはシリーズが進むごとにターミネーターのビジュアルが徐々に不自然になってしまうという運命に縛られ、その点で明暗が分かれてしまっているのかもしれません。

視覚的インパクト:恐竜のリアリティ対ターミネーターの限界

ジュラシック・パークは、恐竜をリアルに描くことで視覚的なインパクトを持続させており、その魅力がシリーズを支えています。特に第1作目の恐竜は、そのリアリティに圧倒されるものでした。私も小学校の頃に初めて映画館で鑑賞した際、思わず「おお」と声を上げてしまったほどの衝撃でした。そして、続編が進むごとに映像技術は進化し、さまざまな恐竜が登場することで観客を飽きさせることがありません。常に最新の映像技術を駆使して恐竜をリアルに描くことで、視覚的なインパクトを維持し続けています。こうした要素が、シリーズが愛される理由の一つと言えるでしょう。

今となっては大したことないシーンだけど
当時は衝撃的でした。

一方、ターミネーターシリーズは初期の作品で革新的な視覚効果が評価されました。特に第2作目に登場する敵のターミネーター、T-1000が手を剣に変形させたり、体が液体状に溶けるシーンは、当時としては画期的でした。史上初めてCG技術を駆使した作品として、ターミネーターは歴史に名を刻んでいます。ただし、続編になるほど差別化が難しくなっていることも確かです。先述のT-1000のような衝撃的なビジュアルを持つ新しいターミネーターを登場させることが難しく、その点で観客の興味を維持することが困難になっています。それでも観客の期待に応えるため、新しい敵キャラクターやアクションシーンを導入していますが、それでもイマイチという印象を拭えません。

T-1000体が液体のように変化するという
映像表現は当時は革新的だった

視覚的なインパクトを持続させることができるジュラシック・パークシリーズと、2以上にインパクトを与えられないターミネーターシリーズ、その違いも明暗を分けた要因の一つと言えるでしょう。

監督とスタッフ:一貫性がシリーズの命運を握る

一貫性のある監督や制作スタッフも大きな要因となっています。

ジュラシック・パークシリーズでは、続編でも一定の質を維持するために、監督や制作スタッフが続投していることが多いのです。例えば、1作目と2作目はスティーヴン・スピルバーグが監督を務めましたが、それ以降も制作総指揮という形で、何らかの方法でシリーズに関与し続けています。

一方、ターミネーターシリーズは続編ごとに監督や制作スタッフが変わることが多く、作品の質にばらつきが生じてしまっています。ジュラシック・パークと同様に、2作目までジェームズ・キャメロンが監督を務めましたが、その後キャメロンが版権を元妻のゲイル・アン・ハードに売却したため、3作目以降は彼が一切関与しない状態になりました。監督自身が2作目で物語を終わらせるつもりだったため、第2作では敵のコンピューター、スカイネットが破壊され、その開発者も死亡したことでシリーズが完結しています。このため、3作目はどうしても強引に話を続けている感じが否めません。さらに、最新作ではジェームズ・キャメロンが共同脚本を担当しましたが、やはり大ヒットには至りませんでした。

宣伝戦略の違い:マーケティングがシリーズの運命を左右する

マーケティングと宣伝活動は大変重要な役割を果たしています。ジュラシック・パークシリーズでは、効果的なマーケティング戦略を用いて、さまざまなメディアやイベントを通じて観客の期待を維持・高めています。これにより、新作が公開されるたびに大きな注目を集め、興行成績も好調を続けています。例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにある「フライング・ダイナソー」というアトラクションは、2015年のジュラシック・ワールド公開を記念して制作されました。このような取り組みは、新しい世代にもジュラシック・パークシリーズの魅力を伝え、集客に寄与しています。

一方、ターミネーターシリーズは続編ごとに宣伝活動が縮小されていて、作品への関心が次第に低下してしまっています。特に最近の作品では、予算の制約や他の要因により、宣伝活動が限定的になってしまっていることも影響しているでしょう。そのため、ファン以外の観客が続編に興味を持たなくなってしまい、結果的に興行成績にも影響を与えているのです。

シリーズの未来:新たな展開と期待

ターミネーターシリーズは様々な問題に直面してはいるものの、全く希望がないわけではありません。例えばストーリーに関しては、最新作「ターミーネーター:ニューフェイト」でようやく「ジョン・コナーを抹殺する」という設定から脱却しています。さらに、今作では原作者のジェームズ・キャメロンが復帰し、次回作「ターミネーター7」では監督を務めるとの噂もあります。

また、今年6月に公開される「インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル」で、若い頃のハリソン・フォードが出演していることから、昨今のディープフェイク技術を利用して若い頃のアーノルド・シュワルツェネッガーを登場させることも十分可能になりました。

ディープフェイクが作り出した
若き日のインディ

ターミネーターシリーズはまだまだ続編や新たなアプローチでファンを喜ばせる可能性が残っているのです。過去の栄光を取り戻すために、新しいアイデアや技術を駆使して、シリーズの魅力を再び引き出すことが期待されます。

まとめ

まとめとして、ジュラシック・パークシリーズとターミネーターシリーズの明暗を分ける要因は、視覚効果の進化や続編での差別化、ストーリーのシンプルさや幅、監督や制作スタッフの一貫性、マーケティング戦略、そして新旧の観客層への訴求力などが挙げられます。

ジュラシック・パークシリーズは、新しい映像技術と多様な恐竜を登場させることで観客を飽きさせず、ストーリーもシンプルで広がりがあります。また、スピルバーグ監督の一貫した関与や効果的なマーケティング戦略も功を奏しています。

一方、ターミネーターシリーズは、続編での差別化や新しいビジュアルのインパクトが乏しく、ストーリーも複雑で続編の幅が狭まってしまっています。さらに監督や制作スタッフの変更が多く、マーケティング戦略も劣っていることから作品への関心が低下しています。ただし、最新作でのキャメロン監督の復帰やディープフェイク技術の活用など、希望が全くないわけではありません。

これらの要因が、両シリーズの評価や人気に大きな違いをもたらしています。今後、ターミネーターシリーズが過去の栄光を取り戻すために、新たなアプローチや技術を活用してシリーズの魅力を再び引き出すことが期待されています。

これからも映画界でどんな新作が生まれ、どのような続編が制作されるか楽しみです。

それでは、皆様シャークと共にあれ(May the Shark be with you)🦈🦈

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