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タオルの街今治で地域スポーツチームの心に触れる

2020年にJ3に加入したFC今治。縁あってスタジアムのオープニングイベントに行ってきました。素敵な映画を見たみたいな心地よさに感動し、その勢いのまま文章にしたためました。

穏やかな瀬戸内の風に包まれる最新スタジアム

渡航費ケチってLCCで行ったので、朝は始発で家をでました。成田まで1時間半。そこから飛行機で1時間半。そして空港でレンタカーを借りて1時間。ほぼ半日使って、FC今治の新しいスタジアム・里山スタジアムに到着しました。

成田へ向かう京成スカイライナーからの日の出

小高い山の上にあるスタジアムに到着。眼下に広がる今治の町の向こうに、しまなみ海道が連なる瀬戸内の海。とにかく眺望が素晴らしい!広くて色使いも派手すぎず、トーンを落とした青(蒼?)を基調にした、おしゃれなスタジアムだなという印象です。

バックスタンド側から見たメインスタンド

そして、何といっても里山スタジアムの特徴は、ピッチと観客席が近くて、観客席のシートが心地いい!
担当のスタッフさんがこだわったというその座り心地は、お尻が包まれる感じ…。SAMEYAはラグビーをやってたからか…横幅が人よりも広めなため(ラグビーのせいにすな!)、これまで行ったスタジアムの中には、座り心地が悪くて観戦に集中できない事も多くありました…。そんなSAMEYAをしても”コンナノハジメテ!”とうっとり感動するぐらい座り心地が良かったです。(これホントにおすすめ!)

ピッチと席が近い!!(うーん。ちょっとわかりにくい…)

というわけで、落成式に話を戻すと…、
超独断と偏見の個人的予想では、落成式という一大イベントではあるものの、地方都市ということもあり、招待客を含めてスタジアムキャパの8割程度、およそ4000人が入っていれば、それでもすごいんじゃないか?…とかなり失礼な予想を立てていました。←
しかし広い駐車場に到着し、そこに駐車されていた車の台数を目の当たりにしたとき、その予想が愚かなものだったということに気がつきました。そして、「これはひょっとしたら5000人を超えているのでは…?」そんな風に見立てが変わっていました。

そして、駐車場からスタジアムへの送迎バスに乗り、大きなスタジアムに到着。
そこにはすでにたくさんの人で埋め尽くされた観客席がありました。

メインスタンドだけでなくバックスタンドゴール裏までびっちり。

地域の真ん中にあるサッカーチーム

観客席に目を凝らすと、多くの人が普段着であるということに気がつきました。FC今治グッズを身にまとった熱烈なサッカーラバーや熱狂サポーターももちろんいたのですが、それ以上にそうじゃない、子連れのファミリーや地元のおじちゃんおばちゃん、若いカップルなど…等身大の地元の人がたくさんいたのです。
普段着の地元の人たちがチケットを買い、地元に完成した新しいスタジアムの落成式に来ている。そして、記念品のブルーの今治タオルを地元のおじちゃんおばちゃんから、子どもたちまでがキャッキャと楽しそうに振っている。

これは紛れもなく、今治の地に着実に「FC今治」というスポーツクラブの存在が浸透している証。それを作り出したスタッフさんの日々の積み重ねを思うと、かなり感動というか、グッとくるものがありました。言葉を選ばずに言えば、いち地方都市で、もともとサッカーの素地があったわけでもない地域に誕生したサッカークラブが、ここまでいろんな人に愛されている。それ自体がすごいことだなと感動を覚えたのでした。

FC今治の会長、岡田武史元日本代表監督がおっしゃっていましたが、FC今治が今治の地を踏んだ時、周りからはいろんなことを言われたそうです。
「どうせすぐに出ていくんだろ?」
「ここではサッカーなんか流行らない。やるなら野球だろ。」
10年以内にチームをJクラブに昇格させ、Jリーグの試合が行える新しいスタジアムを建設するという目標を掲げた時には、「(そんなことは)無理!無謀!無茶!」のオンパレード。
それでも、岡田会長をはじめFC今治のスタッフや選手たちはあきらめることなく、常に周囲の予想を覆してきました。そして、きょう、新スタジアム落成式を迎えているのです。

…ここまででものすごいドラマなのだけど、観客席を埋める普段着の地元サポーターを見て、「地方にスポーツチームが存在する意味」というか重要性みたいなものが見えた気がしました。

スポーツチームが地域の希望になる

それは、地域が元気になる起爆剤としてのスポーツチームの存在でした。

大きな希望や夢ってなかなか持ちにくいのが今の日本な気がしています。
ちょうど海外に出稼ぎに行く日本人の特集がニュースで流れていたけど、今の日本には、希望や夢をもってチャレンジしてみたい!というポジティブな空気とは真逆のどんよりとした空気が漂っているような気がしています。(あ、ご安心ください。SAMEYAは元気ですよ!笑)

今回のイベント来場者は5000人程で、「今治市の人口の何%だよ!」とつっこまれてしまうかもしれないけど、何も持たざるチャレンジャーが地元の人の心をつかみ、地域を巻き込みながら自らの夢を叶えていくFC今治の姿は、「”私たち”が住んでいるこの街は夢を叶えられる場所なんだ」という希望を見せていたと思うんです。
スポーツチームが地域に根をおろして”私たちの街”で夢を叶えていく姿を地元の人たちに見せることができたら、地方におけるスポーツチームってものすごく価値のある存在なのではないでしょうか。チームが成長していく過程を近くで見ることができる地域に開かれたチームであればあるほど、その影響力も大きくなる気がしています。

もっと地方にあるスポーツチームが地元を巻き込み、どんどん成長していけたとしたら…地方から日本が元気になっていく未来みたいなものもあり得るのかも?なんて…。

こんな壮大なことを考えていたら、地元の人たちが集まるスタジアムの景色に、なんだかすごく感動しちゃって…!最後のフィナーレで、風船が飛んでセレモニーが終わった後も、SAMEYAはなんとなくいい映画を見た後…みたいな感覚になって、暫く立ちたくない…そんな気分になったのでした。(その後には楽しみにしていた風呂三昧の宿が待っているというのに!!)

地道な積み重ねがチームを作る

素敵な映画を見た後みたいな心地よい感覚に浸って座っていると、ほとんど観客のいなくなった会場で、FC今治の礎になったチームでプレイしていた元選手たちによる特別試合が始まりました。昔を知るFC今治のスタッフさんたちが、どうしても彼らにこの完成したピッチを使ってほしかったという想いで企画されたスペシャルマッチだそうです。

特別試合が始まる前、ピッチ上ではその選手たちの代表によるスピーチがあり、「自分たちのチームがここまでになるとは…そしてまさか僕たちがここで…岡田さんありがとう…」と言葉に詰まりながらお話されていました。そのあと、現役バリバリの時とは体型とか、背負ってるものとかも変わっているかもしれないけど、そんな事は置いておいて、みんなでアップして、時々「誰も見てねーじゃんかよ!」とか笑いながら真剣にサッカーボールを追いかけていました。

元選手たちを代表して涙のスピーチ

まるで、素敵な映画のエンドロールを見ている気分に!!寒いし途中で帰ろうと思ってたのに結局、その試合を見終わっちゃっていました。

知らない人のスピーチに少しウルっときちゃったのもものすごい久しぶりでした。同時に、5000人の観客を集めたチームスタッフの皆様や選手の頑張りと9年間の積み重ねに、全SAMEYAが感動しました。

最近、元々の知名度も認知度もあまり高くないにも関わらずしっかり観客動員が出来てるチームの舞台裏を聞くと、空中戦よりも地上戦に重点を置いてる印象があります。華々しい広告やキャンペーンといったネットでの空中戦ももちろん大事なのだとは思うのですが、地域のどこに行ってもポスターが貼ってあったり、地域のイベントにとにかく参加するというような地上戦、つまり地元の人たちにとって当たり前の存在になることの方が大事であるような気がしています。もしかしたら、スポーツチームが大きくなるのには、飛び道具なんてなくて、選手が日々続ける地味な鍛錬のように、1日1日の積み重ねでしかないのかもしれない…そんな気がしてきています。

スポーツには熱狂がある!とかONE teamとか、そういうハートフルな、ものすごいソフトコンテンツの権化のようなスポーツで何ができるのか?そんなことを考えるきっかけをくれたラグビーチームに、キッチンカーの出店で関わったのがちょうど約1年前。そこからまだ何もできていないけど、目の前のできることから、少しづつでもできたらいいなと思わせてくれた、素敵な出張になりました。

フィナーレ。スタジアムから飛び立った風船は、風に乗って、今治の街に飛んで行きました。

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スポーツチームの地域におけるあり方や関わり方を一緒に模索したり、メディアに取り上げてもらえる方法を考えたり、そんなお手伝いもできるかと思います。(最近は動画制作などもチャレンジ中です)あとは、キッチンカーが元々なので、それを絡めたスタジアム名物グルメの開発やキッチンカーを集めたりも…。お手伝いできることがあれば、ぜひご連絡ください! 
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