これまでどんな勉強道具を使ってきたか

 新型コロナウイルスの影響で各大学の授業形態が大きく変更されており、大学生の勉強環境が変化しています。私は博士課程で授業自体はほとんどなくゼミのみなので、あまりオンライン授業に伴うゴタゴタに巻き込まれずに済んではいます。

 仮に学部生のころの私だったらどうだったかなと考えていたのですが、ちょうどいい機会なので、学部生のころはどんなふうに勉強してきたのかを、道具という観点から振り返ってみようと思います。最初に断っておきますが、この記事はずっと金欠でどうしようもない学生の苦闘の歴史です。お金に余裕があって、すでにいい環境で作業しているって人は読んでも参考にならないと思います。

一番言いたいことは、「タブレットを持っていない人はとりあえず買おう」ということです。

大学1年生~3年生夏のころ:家族共用のPC

 どうしてこんな大雑把な区切りなのかというと、ほとんど変化がないからです。
 実家暮らしの私は特に自分のデバイスは持っていませんでした。家族共用パソコンで授業の課題レポート等を執筆し、論文を読まなきゃいけないときはパソコンでPDFを閲覧するか、大学の図書館などでいちいち印刷して読んでいました。
 通学時間は片道一時間弱だったので、毎日何か本を読んだり、Twitterをしたりした思い出があります。
 授業を受けるときは、紙のノートでメモを取ったり、レジュメにメモしたりが主でした。まあ普通ですね。

大学3年の秋から大学4年の春ころ:低スぺモバイルノート

 なんと両親が私にノートパソコンを買ってくれました。当時パソコンに疎かった私は、何を基準にすればいいのか分からなかったため、父に任せたような気がします。結局ASUSの4万円弱のものを買ってもらいました。今考えると全然スペックが高くなくて、どうせならもっと良いやつを買ってもらえばよかったなと今では思います。CPUはceleronでメモリ4GBみたいなやつ。
 とはいえ、たとえ低スぺでも、ノートパソコンを持っているのといないのでは雲泥の差でした。あらゆる作業が捗った記憶があります。「出先でレポートが書ける!」って感動した気がします。授業のメモもパソコンで書いて、onedriveに保存、みたいな体制でした。

大学4年夏から卒論まで:格安タブレット

 4年生のはじめくらいにASUSのノートパソコンが壊れました。マジであっけなかった。ある日突然画面がつかなくなりました。修理に出すお金もなく、そのまま終わりです。オワオワリ。
 このころ金欠のピークにいた私は、とにかく安く勉強道具をそろえなきゃと思っていろいろ調べました。結局買ったのはAmazon純正のFire 7というタブレットです。7月のなんとかセールで3480円で買いました。あらゆるタブレットで最安値なんじゃないですかね。とにかく安かったので買いました。
 値段相応のスペックですが、「PDFを閲覧する」という一点に絞って使うなら問題ないという感じでした。プライム会員なので、ビデオやミュージックも一応視聴できました。
 私の卒論執筆はかなりこのタブレットに助けられました。家族共用PCでWordを開いて、タブレットで論文を表示する、みたいな。

 12月のなんとかセールで、今度はfire 10を買いました。fireには三種類(7,8,10)あってそれぞれの数字は画面のインチ数と対応しています。7インチだと少し小さいと感じていた私は、セールで1.2万円くらいで10を買いました。これもすごくいい働きをしてくれました。
 fireタブレットはandroidベースなのですが、なぜかgoogle playが使えないという謎設計です。いろいろググったら使えるようにする方法があり、ゴニョゴニョしてgoogle playを利用可能にして、10にMS Office各種をインストールしました。Bluetoothキーボードも合わせて購入し、疑似的にモバイルノートのような運用が可能になりました。

修士1年の春から冬:iPad Pro購入へ…

 M1の間、作業環境はというと、fireタブレット2つを持ち歩き、家では共用PCを使う生活です。
 6月くらいに、ゼミの先輩にfire 8を譲っていただきました。使わないから、とのことでした。K先輩ありがとうございました。今でも活用しています。
 その後、9月頃にモバイルwifiの契約をしました。WiMAX。大体月3~4000円です。3日で10GBまでというよくあるやつです。これで、出先でもタブレットでインターネットが利用可能になり、Wordでなにか作業したり、論文をダウンロードしてクラウドに保存したりすることができるようになりました。
 余談。モバイルwifiは今も使っていますが、これは解約してもいいかなと最近では思っています。スマホのテザリングで十分なのではないかと感じているからです。
 さて、その後大きな転換があります。なんと、M1の2月にiPad Proの11インチを買いました。これまで安価で低スぺの道具ばかり使っていた私からするとかなり思い切った買い物です。というのも、fireでもWordなど使えるとはいえ、全体的に動作感がモッサリしたり、カクついたりします。PDFにメモを書き込むことも難しく、そろそろfireタブレットの限界を感じていたのです。
 2018年の10月にiPad Proの新モデルが発売されており、Twitterなどを見るとかなり使えるデバイスであると評判が良かったので、欲しいなあと思ってました。どうして購入に踏み切ったのか思い出せないけど、たしかTwitterかなんかで、「仕事道具に金を惜しんではいけない」みたいなツイートを見かけたのがきっかけで、ええいままよと24回ローンで買ってしまいました。pencilもセットで買いました。合わせて10万円。
 結果として、これはマジで買って正解でした。あらゆる作業が捗る。論文を読むのも、書くのも、いつでもどこでもできるし、fireと比べるのもおこがましいくらい、すべての作業効率がアップしました。環境水準が数段階引き上げられた感じ。
 この記事を読んでいる方で、まだタブレットを持っていないという方は、Proは無理だとしても、ふつうのiPadを買うことを強くオススメします。ふつうのiPadでも十分便利ですし、値段もそこそこ安いです。

修論から、D1の今へ:Thinkpad x230を買いました(なぜ)

 というわけで、iPad Proで普段の作業の9割くらいをこなすようになり、無事に修論も書き、博士課程に進学できた私は、そろそろノートパソコンが欲しくなってきました。結局のところiPadはタブレットであって、絶対にパソコンの代替にはならないんですよね。このことは使っているうちに強く感じるようになりました。もちろん、タブレットとしての性能は間違いないのですけど。
 というわけで、モバイルノートを買おうと決断したのですが、やはりお金がないので、なるべく安く買いたい。ではどうするか、中古でいいやという判断に至りました。7年前のノートPCなのでさすがにめっちゃ安くて、楽天市場で1.2万円で買うことができました。
 実はつい最近、というか昨日、メモリ増設してSSD換装して、いま使っています。この記事もthinkpadで書いています。初めて自分でパソコンを買いました。3年前のクソ雑魚ASUSにはカタログスペック上、圧勝しています。やっぱり自分で調べて、納得のいくものを買うって大事ですね。
 Spacedeskというアプリ(ソフトウェア)があるのですが、これをパソコンとタブレット双方でインストールすると、WiFi経由でマルチディスプレイ化できるというものです。私はこれでノートPCにタブレット(使わなくなったfire)を接続してデュアルディスプレイにしています。タブレットはandroidでもiOSでもどちらでも大丈夫みたいです。これかなり便利です。

総評

 もし私が大学1年のころにオンラインでの受講を余儀なくされていたらヤバかったと思います。というかたぶん無理でした。自分にはお金がなかったので、親に頼みこんで別途デバイスを買ってもらうしかなかったでしょう。
 まあ、それはさておき、我ながら貧弱な環境で勉強・研究してきた(している)と思います。何とかなっている(ように見える)のは、私の研究内容的にPCにそこまで大きく依存しない(高スペックPCでの作業を前提としない)からなのでしょう。PCで大量のデータを使って作業するみたいな研究に従事していたら、上述の作業環境では全くやっていけなかったことでしょう。

 大学1年生のころにタブレットを持っていたらなあと思います。今だったら1万円くらいでそこそこのタブレットは買えるし、4万円あればiPadも買えるので、まだ持っていない学部生の方にはぜひ購入を検討してほしいです(おせっかいですが)。もちろん、別に勉強道具というだけではなく、プライベート用途で活用できます。ゲームとかネットサーフィンとかYouTube観るとか映画見るとか、スマホよりも大きな画面だからこそのメリットがいろいろあります。

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