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コペンハーゲンから、新年度書簡

「落ち込む事もあるけれど、私この街が好きです」

先日観たジブリ作品・魔女の宅急便で魔女のキキが言ったフレーズだ。何度も観たことがある映画だが、今こんなにも共感できる言葉はない。笑 住む場所に困っていると親切な人に助けられ、自分にできることが見つかり意気揚々。かと思えば魔力という名のモチベーションが湧かず落ち込む日々。それでも頑張ろうと腰を上げるのは、誰かのために頑張りたいと思う時。おまけにこの作品のモデルはスウェーデンの首都ストックホルムだと言われており(諸説あり)、作品の中にでてくる街の景色がどことなくコペンハーゲンにも見えてきて、さらに感情移入してしまった。

映画を観終わった後、キキの冒険に勇気をもらった私は自分について考えてみた。北欧の冬真っ只中にこちらに来てから約3ヶ月、この短い期間にも様々なことを経験した。何かを乗り越え、日々が過ぎ去るたび、いつも思うことがある。

行動すれば、どうにかなる。

起きたことには、意味がある。

世界には、優しい人のほうが多い。

私はどちらかというと心配性で、起きていないことに対して不安になってしまうタイプだ。だが分かっていることもある。それは不安は行動でしか打ち消せないということだ。万全の準備をしていなくてもいい、とりあえず走り出す。走り出してから考えが変わってもいい、軌道修正。走って疲れてもいい、長い道気長に行こう。こうした自問自答を繰り返して、私は今ここで生きている。特に、この記事で書いた、人生で初めて住む場所がなくなるというハプニングの最中では、精神的によく鍛えられたが、結果どうにかなったのは紛れもなく自分が行動したこと、そして手を差し伸べてくれた周りの人の行動に支えられたからである。本当に心から感謝を伝えたい。

最近、私の人生はすでに何かで定められていて、ものすごく大きなパワーに動かされていると感じる時がある。私がデンマークにきたのは、デザインと生活の近さに興味があったからだが、他にもたくさんの気づきがあった。(ちょっとしつこいが)住居トラブルにあったから、今ある居場所により感謝するようになった。幸せの国に来たから、自分の幸せについて考えた。自分が外国人になったから、同じ立場で困っている人に寄り添いたいと思った。福祉国家に住んだから、公共の福祉について考えるようになった。こんな具合で、自分が意図せず経験したことが偶然ではない気がするのは、心のどこかで今と未来の自分に必要だと思えるからだ。関係ないかもしれないが、私は日本でご縁の国と呼ばれる地域で生まれ育ち、出合いに感謝するようにと言われてきたので、無意識にその姿勢が染み付いているのかもしれない。

やっとコペンハーゲンでの生活が落ち着いてきて、自分の中にある歯車がゆっくり動き出してきた感触だ。そんな今、私が自分のアップデートのために心がけているのが、無理のない範囲でコンフォートゾーンを出ていくことだ。小さなことから大きなことまで、様々なことが考えられるが、特に私が楽しみにしているイベントは以下だ。noteでも詳細は記事にしていくつもりなので、もし興味があればぜひ読んでいただけると嬉しい。

・デンマーク語学習開始
・執筆活動継続
・ポッドキャスト始動(詳細は後ほど)
・japan-nordic craft designのリサーチ
・identity designer としての活動とコンセプト醸成
・CPH Art Week(5月)
・Aalto University Summer course (7月・フィンランド)
・MONO Japan (9月・オランダ)

デンマークは春=新年度!という世の中の風潮はないが、私にとってはやっぱり、また気持ちを新たにして過ごす季節だ。この振り返りと控えるイベントは私の新年度の抱負として、ここに記しておきたい。



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