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153夜 USA(Live) / KING CRIMSON

キング・クリムゾンの来日公演は素晴らしかったらしいのですが、結局、出かけることはしませんでした。
その代わり、過去の作品をCDで聴き直したりしています。
Spotify にも以前はあがっていたような気がするのですが、記憶違いなのかなぁ。。。なんて思っていたら、この「USA(Live)」と「Earthbound(Live)」と「The Great Deceiver Pt,Ⅱ.)」(これもライブ)が聴けるようになっていました。

どれもファン向けのものなので、初めて聴くキング・クリムゾンとしてはお勧めできませんが、この「USA(Live)」は、ロック好きな人なら一度は体験しておくべきライブ・アルバムだと思います。

ロックのライブには名盤がたくさんあります。
音楽ショーとしての完成度や芸術性、観客との一体感、その場で生まれた衝動を奇蹟的に記録したものなど、素晴らしさの尺度はいろいろでしょう。
キング・クリムゾンのライブは、(この時期は特に)即興演奏のせめぎ合いに凄さがありました。
ただ、この「USA(Live)」は、ライブ音源を後からけっこう編集しているということで、本来的なライブではない、と批判的な受け止め方もされたようです。
個人的には、昔、LPレコードで聴いた時はあまりピンと来なかったのですが、何年も経った後、CDで聴き直して良さを発見したという感じでした。

発売されたのは「Red」でバンドを解散させた翌年1975年ですが、録音は前作の「Starless And Bible Black」の頃で、演奏もその時点のメンバーです。
ギター:ロバート・フィリップさん、ベース:ジョン・ウェットンさん、ドラムス:ビル・ブルフォードさん、バイオリン:デヴィッド・クロスさん、という最強の布陣。
(編集で、デヴィッド・クロスさんのパートをエディ・ジョブソンさんに差し替えちゃうという荒業をやっているそうですが・・・。)
たった4人とは思えない迫力と、たった4人だからこそ生まれる緊迫感は、キング・クリムゾンの魅力を見事に閉じ込めています。

1974年のライブということは、メンバーは当時20代の若者です。
今、改めて聴いて、近年のキング・クリムゾンがトリプルドラムやダブル・カルテットという大所帯で表現していた以上のものが、ここにあるように思えてしまいました。
初心者向けでは無いというようなことを書いてしまいましたが、ある意味ではこの時期のキング・クリムゾンのベスト盤とも言えます。
圧巻です。

いくつかのバージョン違いがありますが、手に入るなら40周年記念エディションでしょうか・・・。