遠くにいる、すぐ傍の君へ

新型コロナウイルスが、巷では大流行りしている。

だから今日もまた、この窓辺に座って、外の刺すような、冬の風が手あたり次第暴れ回る音を聞きながら、本を読み、文字を連ねて虚しく一人遊び。

本当はこんなことをしていたいわけじゃない。だから、何処か虚しいんだ。君と出会う前の僕だったら、寧ろ喜んで取り組んでいたことだけど。

君は隣の町に住んでいるって聞いた。僕の家からは、君の家の最寄りまで、ちょうど電車で一本の場所(それを聞いたとき、ちょっとときめいた)。

こんなに近くにいるのに、会えないなんて。毎日電話を掛けて、色んなことを話し合ったことも。慰めと同時に、君への想いを募らせるばかりだったよ。でも、君の声を聞けたのは、幸せだった。

顔を合わせれば、互いに恥ずかしく、また、互いに触れ合うことを優先しちゃうから。

こうして電話で、君の言葉に耳を傾け、君に愛を囁くのも、大切な時間だな、と思った(そうしようとした)。

自分たちを、自分の運命を、不遇とは思いたくない(そんなの、大それている!)。それよりも、君と過ごす毎日が、きらきらしたものになるように。

これが僕の、新しい戦いなら。

もう内心戦いにはうんざりだが。幸せに通じているのなら。

もう一度、僕なりの戦いを、繰り広げようと思う。