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小説8050

ようやく読破しました。林真理子さんの、小説8050。
以前から気になっていた小説でしたが、その頃は、まだ遠い世界のこと。
80代の親と、50代の引きこもりの子どもが共依存する、8050問題です。

 それこそ小説の世界だと思っていた現状が、知らなかっただけ。ということが偶然たび重なりました。
 実はご近所にも似た状態で困っている家庭があったり、兄が引きこもってるの、と打ち明けてくれた友人がいたり。
 フィクションなんかじゃない。圧倒的なリアリティーで、ごく日常の隣に潜む、当事者にとっては絶望なのです。

 狭いコミュ二ティーに暮らす田舎ほど、近所に知られたくない、そして相談できない…どんどん事態は深刻に泥沼化していきます。 
 安定した地位、優秀な子どもを持つ家庭。他人から羨まれる家庭であればあるほど、知られたくない秘密があるかもしれません。

 ようやく谷底まで落ちた時、家族はどのように這い上がったのでしょうか。
 続きはネタバレしてしまうので、ぜひお読みください。図書館にも必ず置いてあるはずです。

 この問題は、介護現場でもよくあることで、家族ではもう限界になったときに、ようやく公的サービスを考えてくれるのです。
 家族は強くもあり、デリケートです。誰かに声をあげたときに、ようやくものごとは進んでいきます。

 そんな方々に、小さな手をさしのべ、声をかけられる存在になりたいものです。

 

 

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