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2050年の大多喜無敵探検隊

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2050年までに消滅する可能性が高い「消滅可能性自治体」といわれる私の故郷「大多喜町」と、周辺の御宿町、いすみ市、勝浦市。本当に消滅しちゃうのかな?と思い、シミュレーションながら… もっと読む
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消滅可能性自治体 2050年の大多喜町へ-後編【2050年の大多喜無敵探検隊】

 車は圏央道の市原鶴舞インターを降りたのち、広域農業区画と里山を交互に過ぎ、やがて峠道の連続ヘアピンカーブが続く羽黒坂にさしかかった。ここを越えたら大多喜町、外房市の大多喜町だ。市原市と大多喜の境目には、今でも本多忠勝と大多喜城が描かれた看板があるが、経年劣化でボロボロだ。まぁ自治体の予算がなくて修繕が後回しになっているんだろう。 車は羽黒坂をおりると、そのまま滑るように国道を流れ、ほどなく横山交差点に差し掛かろうとしていた。 不意に穏やかな女性の声が語りかけてくる。 「マス

消滅可能性自治体 2050年の大多喜町へ-前編【2050年の大多喜無敵探検隊】

 三ヶ月ぶりだな、この喉かな里山の風景を眺めるのは。 私の家から房総半島の大多喜へは、第二東京湾岸道路、東金道、圏央道と高速道路を次々乗り継いで行くことになる。ここまで車が殆ど勝手に走ってくれるが、今年83歳の私には、この距離はやはり億劫だ、高速でも1時間ちょっとはかかる。まぁ少しだけ時間は短くなったが、なんというか昔も今も、あの町は決して近くはないよな。  そういや若いころは高速代が惜しくて、古い墓がある房総最南部の安房市の和田町や、今向かっている外房市の大多喜まで、一般