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【雑記】台風13号 大多喜町の被害について(2023年9月8日の台風被害)

 つい先週末の2023年9月8日に雨台風「台風13号」がやってきて、大多喜町をはじめとする千葉県の房総半島南部一帯で大きな被害を出しました。
街の中心地が浸水した茂原市の被害は、皆さんもテレビできっとご覧になられていると思いますが、その隣の我らが大多喜町も、実は各所で崖崩れや浸水が相次ぎ、道路が寸断されるなどの被害が出たのです。本日現在に至っても電話やインターネットが通じない山奥の集落もあり、被害の全体像はまだ大多喜町役場でも把握できてはいないのではないでしょうか。なにせ町の面積の7割が森林という町です。山道が寸断されてたりしてたどり着けないところもあるようです。

そんな状況ですが、まずはご心配されている方もいると思いますので、私が把握している大多喜町の町ナカについての被害状況を、いつもの昭和50年代ポンコツ大多喜MAPに無理やり落とし込んでみましたのでご覧ください。


堤防決壊寸前でした

 9月8日の大雨で、外廻橋(とめぐりばし)から覗く夷隅川の水位はピークで下記の映像のような状況でした。通常時の映像と比べていただくと、どれだけ物凄い水量かが分かると思われます。
この映像は国土交通省「川の防災情報」サイトからキャプチャーしたものですが、水が堤防決壊まで1.7mと迫っておりました。13mほどもある深い堤防なのに、あと残りわずか1.7m!
これは中々に由々しき事態であります。しかも仕事しながらネットで観測していると徐々に、そして確実に水位が上昇しているのです・・。
でもお陰様でこの1.7mをピークに水位は緩やかに下がりはじめ、今回は大事にならずによかったです。

●夷隅川 通常時の水位

(2023年8月24日 通常の水位の夷隅川 外廻橋のカメラより)

●台風13号によるピーク時の夷隅川の水位(2023年9月8日 午後)

(水位がピークに達した夷隅川 外廻橋のカメラより)

実はこの堤防は、過去にも何度か氾濫を起こしており、その都度堤防を高くしてきたのですが、これだけ高くしてもここまで水が来るとは、、12時間の降雨量が328mmということはこういうことなんだ、なんて恐ろしいんだと思いました。ちょっとした天地創造かノアの箱舟伝説のような感じとでもいうのでしょうか、地形が変わる大雨ですね。
そもそも今回のピーク時の水位では、昔の堤防の高さなら大多喜の久保地区や猿稲地区の家々は間違いなく水没していたでしょう。
逆に高くした今の堤防が万一決壊するようなことになれば、久保地区を筆頭に、役場の手前ぐらいまで平気で水がくることになり、被害は甚大になるのではないかと思われます。


久保地区、そして猿稲地区の浸水

大多喜町の町ナカ、久保地区は有名なお蕎麦屋「くらや」や「とんかつ亭有家」、国の重要文化財で商家造りの「渡辺家」がある旧市街のメイン通りですが、床上・床下浸水になった家屋が多々あります。
これは堤防の水が流れこんだのではなさそうですが、久保のメイン通り裏手の町営駐車場も水浸しになったことから、付近から流れ込んだ雨水が、低い久保地区に溜まったためなのではないかと・・(真実はまだ不明)。
久保地区は大多喜城下の窪地で、どうしても水が溜まりやすいので、今回のような豪雨時に度々浸水が起こってしまうようです。今回同様に、いすみ鉄道の鉄橋の辺りを中心に、猿稲地区でも浸水があった模様です。この辺りも周辺より土地が窪んでいるので、今回のように大雨の際は水が溜まりやすいのではないかと思われます。
なによりお店が復活したら、ぜひ「くらや」、そして向かいの「とんかつ亭有家」をご利用ください。間違いない旨さです!


城山周辺のがけ崩れ

大多喜城の城山、その周辺の山で、何か所か土砂崩れor崖崩れが起きて、大多喜高校への分岐点から大多喜城に向う道は、一時通行止めになりました。
現在は復旧しておりますが、その崩落の現場に立ち会わせた我が「大多喜無敵探検隊」OBの話では、生きた心地がしなかったそうです。
以下の写真は、大多喜城へ向かうルートから西部田方面に分岐する山の斜面の様子、中央公民館に新しく出来た公園と道を挟んだ反対側の斜面です。高さ15mほどに渡り山体の表面が大量の雨で押し流されて、岩盤が向きだしておりました。


いすみ鉄道 線路の寸断

 いすみ市大原から、大多喜町を通過するローカル線の「雄」いすみ鉄道の路線でも大きな被害が出ております。
西畑駅と上総中野駅の間が、数か所に渡って線路の地盤が崩壊し、線路と枕木が宙ぶらりんになっております。
しばらくは、大原駅と大多喜駅間の運行を行うようですが、終点の上総中野駅までは当分は開通できないんじゃないかといったひどい有様です。
いすみ鉄道の被害の様子は、以下のblogに詳しいです。外房線と内房線の被害状況の下に、いすみ鉄道の被害の写真がたっぷり掲載されています。↓


養老渓谷の被害甚大

 養老渓谷は、温泉街の通りに沿って流れる養老川が一時氾濫し、付近の宿を呑み込みました。
あの川は、ここの本題「大多喜無敵探検隊-since197X」でもお話にしている通り、全体的に深い渓谷になっており、普通に考えたら水が川を越えるようには思えず、、今回は本当に自然の驚異を感ぜずにはいられませんでした。
なにより養老渓谷は関東で一番最後まで紅葉が楽しめると話題の観光地、紅葉シーズンを前に、これじゃちょっと悲しすぎるんじゃないかと、、
何かこの先、具体的な援助なりが出来ると良いのですが・・。

(弘文洞に続く遊歩道は、デカい流木が道を塞いでおりました。。)
(向山トンネル出口付近 大雨で山が崩れ、付近の家々に土砂が大量に押し寄せたようです。)
(二階建てトンネル/向山トンネル前の道の様子、川から流れた土砂は既に道の脇に避けられております。)

 一応ここまで、私の知っている、そして実際に見てきた被害を並べてみました。
災害を忘れないためにも残しておこうと思った記事ですので、この先また何か付け足すことがあるかもしれません。

なにより皆さん、今回の台風13号で他所も多大な被害を被って大変だとは思われますが、大多喜町のことも、ちょっとだけでいいので心のどこかで覚えておいていただけたら幸いです。
大多喜町は人口が少ない分、そして目立たない分、どうしても今回の被災地域の中でも埋もれてしまいがちなのです。
埋もれてしまうと救助や援助の手も届きにくくなるのです。

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