見出し画像

タラのほっぺ

実用

鱈・タラは北の海の魚である。
鍋料理が多いかと思うがソテーも旨い。
あのイギリスの国民的ファストフード
「フィッシュアンドチップス」のフィッシュはタラである。
大きな鮮魚コーナーのあるスーパーではこの
タラのエラ蓋に付いている円い肉が「タラのほっぺ」として並んでいる。
ここの部位が ♪旨みが濃くて ♪要するに非常に美味しい ♪
ちょっと見はホタテの貝柱のようで食感もちょと似ている。
ホタテの貝柱が貝殻を開け閉めする筋肉の束であることは一目でわかるが
このタラの「ほっぺ」はおそらくはエラを動かすための筋肉の固まりだ。
この「ほっぺ」はサンマでもホッケでもサケでもエラのところに付いているのだが
サンマやホッケくらいの大きさだとホンの1㎝にも満たない大きさなので
魚好きの人でないと見逃してしまうと思う。
私は母が北海道の漁村育ちの人だったので
魚の肉はとことん探して残らず食べるように育っているのである。
さてそこでタラの「ほっぺ」ですよ。
ナンでこれが大きいモノで直径7㎝もあるかというとタラの魚体が大きいからですな。
イマドキは大抵の人はタラを丸ごともらってしまったら途方に暮れるに違いない。市場に出るタラは60㎝から80㎝はあって骨も硬くてタラを2本もさばくと出刃包丁を一度研ぎ直さないとイケナイ。いや、昔の転勤先の近所のご主人が海釣りが好きで季節になると大きなタラを配って歩いてくれて、それをさばけるのがウチだけだったので皆さんウチに持ち込んでくるのですな。「あの、切り身だけでいいから、アラは要らないから」と。なんとまあもったいない!タラのアラ汁は旨みの濃い出汁が出るというのに!というワケでタラのアラ汁を作っては私が頭の部分を独占して(夫はひ弱なマチナカ育ち)もちろんエラの部分の「ほっぺ」も独占していたのであるうひひひひ-あっ
えー、えへんえへん
改めてこの「ほっぺ」が学術的にナンというのかを一生懸命探したところ
ようやく「鰓蓋伏筋」らしいとわかった。
やはり筋肉でしたな ♪
母は「良く動くところが美味しいんだよ」と教えてくれたものだが
このエラを動かす筋肉もまた旨みが濃くて歯ごたえがあるので
しょう油味で甘辛く煮ても塩コショウでソテーにしてもいいが
最近はソテーにしている。

季節の味なので、そろそろ終わりかな、と惜しみつつ食べている。
付け合わせはフィッシュアンドチップスを意識して
塩で下味をつけたジャガイモをオリーブオイルとバターで焼いたものに
セロリとニンジンとキャベツの塩コショウ炒めと
ゆでた春菊とゆで卵とマヨネーズを合わせた。
このジャガイモもタラのほっぺのソテーによく合ったが
春菊とゆで卵とマヨネーズもその風味が抜群に合った。
タラのほっぺが本州でも手に入るのだったら
一度使って見て欲しい面白い食材なのでござる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?