見出し画像

電波時計

じいちゃんばあちゃんが奮発して新しい掛け時計を買ってきたときのこと。
それは結構お高い・りっぱな電波時計♪
ところが電池を入れても動かない、と。
ためつすがめつ「これ、電池が逆?逆に入ってるの?」
何しろじいちゃんばあちゃん老眼ここに極まれり、なのでよく見えない。
ということで、ヨメが取扱説明書を見ながらセッティング。
電池を入れなおして、時刻合わせの操作をする。
「あらあ、ずいぶん面倒なモノなんだねえ」
ウチはあまり電波の強い環境ではないらしく、なかなか反応してくれない。
「これ、そのうち時計が自分で合わせますから少々お待ちください」
ところが年寄りというものは待てないのである。
特にじいちゃんは。
まあその時は翌日見てみたらちゃんと正しい時刻で動いていたのだが
時計が自分で時刻合わせをするときには秒針が停まってしまっていて
じいちゃんは今度はそれが気に入らない。
時計の秒針がずっと停まっていると騒ぎ出した。
「壊れてるから、返してこい!」
ばあちゃんが一生懸命に
この時計はひとりで時間が「ちゃんとする」んだから
と言っても全く聞く耳を持たない。そもそも耳が遠いし。
秒単位で暮らしている人はそうそういないとは思うが
ちょいちょい停まる秒針というのはナンかこう、モヤモヤするのは確か。
それなら秒針が付いていない方がすっきりするのでは。

調べてみると、実際マンションなどのコンクリートで囲まれた建物や
窓ガラスに防火用の金網が入っていたりすると電波が届きにくいようだ。
ということは、少なくない建物がこれに該当している、と。
そこで、電波の弱い場所用に電波の中継器なるものも売っていて
って、かえってメンドクサクね?
イマドキは電波時計が主流だけど
時刻合わせの手間を無くすために別の手間が発生してるじゃん。
普段の生活なら、月差何秒のクオーツ時計で充分だと思うぞ。
ゼンマイ時計から電池時計になった便利さはものすごく大きかったけど
クオーツ時計から電波時計になった便利さはそれほどでもないのでは?
そもそも電波時計と言うのは
送信所から送信された日本標準時の電波を受信して時刻を表示させるものだが使い始めや電池交換後には改めて電波を受信させてやらねばならない。
この標準電波の送信所は日本では福島県と佐賀県の2か所にある。

電波状況が良好な場所だと電池を入れたら放っておいても時計が勝手に時刻を合わせてくれるのだがそれでも15分くらいはかかるようで、ましてやウチのように建物が密集した場所だとナカナカ電波を受信できず正しい時刻を表示するまでに結構な時間がかかってしまう。しまいには電波を求め時計を抱えて家の中をウロウロするのである。
で、ナンで、ナカナカ電波が受信できないような場所でも一旦時刻が表示出来たらそのまま正しい時刻を示し続けられるのかと言うと、電波時計は精度が極めて高くほぼズレないので、ときどきでも電波を受信することが出来れば修正できてしまうのではないかしらん。
それはともかく
時計と言うのは思ったよりしょっちゅう見ているモノなので
電池を交換してすぐに使えないのはちょと困る。
これだったら、別に昔のクオーツ(水晶発振)時計でいいのではないか。
クオーツ時計の精度が電波時計より劣ると言っても
月差プラスマイナス20秒ほどですぜ。
日常生活には十分ではないか?
イマドキは安い目覚まし時計でも電波時計ばかりで
使い始めや電池交換時にちょとイラついてしまう。
一旦正しく動き始めればあとは放っておいても正確ですよ♪とはいうものの
その正しく動き始めるまでが手間なワケで!
昔は毎日ゼンマイや竜頭を巻き、テレビの時報で時刻を合わせていたが
今は時刻の正確さを時計に丸投げ状態にしてしまっていて
丸投げにするために・手間をかけないための手間が結構あるというか
いや、そもそもここまで丸投げにしなくてもいいんでないかい?と
ちょと、もにょるのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?