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自然を守るだと?

東京に引っ越してきた夏に
買ってきたカボチャをうっかりラップのまま台所に置いておいたら
3時間で腐ったことがあった。
いくら夏だからって、東京の夏、オソロシイ、と
北海道人にとって驚愕の事件であった。
自分が種々様々な菌類の巣窟の中に住んでいることを実感し
油断したら即座に「やられる」と思った。

小さな家庭菜園を作っていたが
1週間も留守にしていると植えた覚えのない植物がのさばってきたし
アブラムシは「たかって」くるし正体不明の芋虫が食い荒らしてたし
ハトが蒔いた種を「ほじ」りにきたしで
こまめに草取りをして虫を取らないと野菜は育たないのだとわかった。

自然を守るとか言うけれど
自然って人間の想定のナナメ上をっていうか
はるか上を行くものではあるまいか。
新型コロナウイルスの流行で
普段はたくさんの人が行きかう都会で人影が無くなったとたんに
街路をヤギだのヒツジだの野生生物が闊歩している動画があった。
いや、多くの人で混雑する都会のまん中でさえも
人が住まなくなった家、マンション等の建物や空き地は
数か月で木や草で覆われていき・虫やネズミ等の棲み家となっていく。
ましてや
離農地や過疎地ではすでに土地が「自然」に還りつつあって
荒れ地になった元畑や廃屋でクマやイノシシやサルやシカが
我が物顔で歩き回っているというのは珍しくない。

人が手を引いた瞬間から
“ 自然 ” は容赦なく侵食してくるのだ。
自然は手ごわいぞ・最強だぞ。
そういうワケで
人間が自然を守るだなんて
おこがましいのではないかと思うようになった。

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