見出し画像

家の中の虫(北海道編)

いわゆる不快害虫のお話
勉強

大人になるまでマチナカ暮らしだったので特に自然が豊かではなかったが
家の内外には「いつもの虫」たちがいた。
そのうちの一つがアシナガグモ。
子どもの頃はクモが異常に怖かったのだが

ころんとした小豆ほどの小さな身体を細長い8本の足で持ち上げて
そこら辺を探るように歩いていたその気持ち悪さはオニグモ以上だった。
それが
大人になって・さらに北の土地に引っ越すと、見かけなくなった。
それ以降、北海道内だけでなく東京や横浜にも住んだのだが
今に至るまで目にしていない。
ふと思い出して、改めて調べてみると
あれあれ?あの虫はクモじゃなくて
ザトウムシなんですってよ!
アシナガグモは東北、北海道の方言らしい。
そう言えば、足が8本とはいっても頭とか腹とかの身体の節が違うわな。
クモじゃなかったのかあorz
クモじゃないと知ってたら怖くなかったかも…そんなこたぁ、ないか。

ザトウムシの生態を調べてみたが
山の中や洞窟などに住んでいるとかあいまいな情報しか出てこない。
きっとこれは、専門書を見なくてはわからないことなのだろう。
自分が育った家はマチナカだったが思えば縁の下があった。
普段は、暗く湿った縁の下で生きていて
ときどき家の中まで出てきていたのではないか。
ちなみに手のひら大の大型のザトウムシもいて
アメリカでのこの虫の愛称は「あしながおじさん」って
ひゃー!!びっくりしすぎて感動した ♪

ワラジムシも子どもの頃からよく見かけていた。
これはお隣のお兄さんがガマガエルを飼っていたので
一日おきに15匹づつのワラジムシを捕まえて給餌しに行っていた。
(あ、ワラジムシにしてみればナンという鬼畜だったんだ!)
私の乱獲によってウチの周囲のワラジムシは激減した。
で、それから20年後
札幌近郊の都市に引っ越したときに初めて見たのがダンゴ虫。
坂道を歩いていると、突然真ん丸なモノが転がって驚いた。
ワラジムシより黒くて硬質で光っている。
本やドラマの中でしか知らなかった。
で、そこの土地では逆にワラジムシがいなくて不思議に思った。
調べてみると、どうやらダンゴ虫(オカダンゴ)は外来生物らしい。
それで昔は見かけなかったのだろうか。
もしかして、ワラジムシとダンゴ虫は競合するのだろうか。
もうちょっと調べないと、よくわからない。
身近な虫にも生息地域の違いだけでなく、時代の違いもありそうな。
ところが昨日
初めてダンゴムシを見た町の人と
ダンゴムシはいたけどワラジムシとアシナガグモ(ザトウムシ)は見なかった、という話をしたら
ワラジムシとアシナガグモ、ウチにいっぱいるよ、と。
あらー、いるんだ!
確かに自分が見ていたのは自宅の周囲だから
地域の違いというよりは・家ごとの違いだったのか。
あ、もうひとつ。
今の家に引っ越してくる前に住んでいた家にはムカデがいて
これは北海道では初めてだったので「北海道にもいたんだ!」と驚いた。
初めて見たのは40年ほど前の夏、横浜の下宿で
本州にはものすごいモノがいるなあと思ったものだった。
そのムカデがなぜか新築早々の我が家に出てきてぎょっとしたのだが
これは引っ越し荷物に付いてきてしまったのではと。

多くは「不快害虫」と言われる身近な虫たちは
もしかしたら、家1軒ごとに違うモノが住みついているのかもしれないし
それはまた、時代によっても違うのだろうから
自分の身近な場所を見ただけで
その地域や時代の様子だと考えるのは間違いだと思う。
おそらくは1軒1軒違う虫が住んでいるのだが
それでも地域全体としてながめると
一定の分布の傾向が見て取れる、というものなのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?