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東京には石が無い

子育ての風景

東京に住んでいた時、小学生を持つ奥さんがぼやいていた。
子どもが先生から「近所で石を拾ってくるように」言われたという。
理科の授業で、みんなで見せ合って観察するのだそうだ。
で、問題が
住んでいたところが渋谷区で
周りを見渡してみたところ・・・石が無い。
道路や駐車場はアスファルトで固められ
庭のある家を覗き込んでも草木の下には滑らかな赤土があるだけで
これが教科書に出ていた関東ローム層か♪
とは思ったものの、石というものが無い。
あるのは大きな庭石か玄関先の玉砂利ばかりでまさかそれは持ち出せない。
その奥さんはずいぶん遠くまで歩き回って
やっとのことで小さな石を見つけることができたと。
そうか、東京のマチナカには石が無いのか。
石と言えば、川原石?
でも、川はコンクリートで護岸されているか暗渠になっていて
遠くの大きな川にでも行かないとお目にかかれないのでは。
先生は校区内に石が無いことに、多分気づいてない。

そういえば
小学校でも中学校でも運動会の前には校庭の石拾い作業があった。
小石があると、走ったり飛んだりするのにすべるし・危ないから。
毎年の作業だったのだが、不思議なことに毎年一定の分量の小石が拾えた。
地面の中には限りなく小石が埋まっていてそれが雨で顔を出すのだろう。
中学の時に地理の授業で
学校の辺りには、昔、川が流れていたのだと教わった。
それでか。
川は流れるコースを変えるモノなのだなあ。
そもそもこの土地は扇状地だから。
というワケで
子ども時代にさんざん拾った石を
あの時の東京都渋谷区に分けてあげたい気がしたのでござる。
ちなみに
小さな子どもを連れて北海道に戻ってきたとき
子どもは初めて見るそこらの小石に夢中だったっけ。

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