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命がけの「知りたい」

読書
勉強

思い切って購入した!
「世にも奇妙な人体実験の歴史」トレヴァ―・ノートン:著 
赤根洋子:訳 文芸春秋社
何度かネットで紹介されていた本なのだが
題名からキワモノ的な本かと感じて手が出ていなかったのだ。
何度も紹介されているうちに何か惹かれるものがあって購入。
読み出してすぐにこれはキワモノなどではなく探求心のカタマリの研究者が自分の身体を使って実験と実証を重ねた別の意味でトンデモナイ本だった。
単に「恐れ知らず」だとか「勇気がある」では済まされない
ほとんど頭おかしいレベル(ほめてる)
この方たちだって怖かったに違いないが
彼らを文字通りの献身的な人体実験に駆り立てたのは
自己犠牲の気持ちや研究成果を世の中に役立てたいという高い志
だけでなくさらに強かったのは「知りたい」気持ちの方だったと思う。
死んでも知りたい!!
ナンか、ちょと、ワカル。

そして

動物だと自分でその時の気分や状態を説明できない
これについて一番詳しいのは研究している自分だ
自分の理論が正しければ安全なはず

そういう考え方はもっともだと思うけど、だからと言って
例えば誰もがワクチンの有効性を確認するために
ワクチン接種後に自分を感染源に暴露しようとまでは-
考えないし、ましてやできないよなー、と。

今の医学がこういう方たちの「犠牲」の上に積み上げられたものであると
そして自分も大いにその恩恵に浴しているのだと
その開拓者の方々に畏れの気持ちを抱いたのでござる。
そして
お、あの、ジョン・ハンターも出てきたぞ ♪

そしてそして解説者は
あの「こわいもの知らずの病理学講座」晶文社 を書いた
中野徹先生じゃあーりませんか ♪

も一度言います。
この本はもしかしたら題名でちょと損しているかもだが
ゴリゴリと身に迫ってくる科学史・医学史の本なので
ぜひぜひ手に取っていただきたいのでござる。

それにしても
命がけで開拓した知識と技術も学界で無視される事例もあるのは、ねえ
これって、何度か見た景色…

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