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ヨモギとトリカブトの見分け方

勉強
読書

おうみのひとさんにご紹介いただいた
「神さまたちの遊ぶ庭」宮下奈都 :著 光文社
を読んだ。
大変に良い随筆集だと思ったのと以前読んだ同著者の「羊と鋼の森」がこの時に書かれたことに改めて思い至り、道理で山の木々の描写が生き生きとしていて山の匂いがしたはずだと実感した
のだが!
ただ、どうしても見過ごせない間違いがあったので出版社にその旨メールしたのとともにここに書いておく。
人命にかかわる事なので。
「神さまたちの遊ぶ庭」は電子書籍Kinoppyで購入したのだが
その106ページ「五月某日 ヨモギパン」のところ

「よく見て。トリカブトは葉の裏側が白いから。
ヨモギは両面とも緑でしょ」

👆これは間違い・逆だ

正しくは
裏に白い綿毛が付いている方がヨモギで

表裏とも毛のない

ツルっとしている方がトリカブトだ


ネットには比較した画像がいくつも出ているので見て欲しい。
ヨモギは葉の裏にフワフワとした白い柔毛があって、その繊維を草餅のつなぎにしたりお灸の艾にしたりするのだ。ヨモギとトリカブトは慣れれば一目で違いが判るが、よく知らない人がヨモギとトリカブトを間違えて食中毒を起こすことは珍しくない。
著者は家に帰ってから植物図鑑で調べたとあり、その後もヨモギを採って利用しているようなので、おそらくはこの会話の所は書き間違いなのだろう。
しかし、これは数少ない「あってはならない」書き間違いだ。
植物の事をよく知らない人が安易にこの会話の所を読んで間違った知識を信じてしまっては大変に危ないことだし、実際、きちんと調べられる人の方が少ないのが実情なのだ。
著者の方も編集の方もこのような命に係わる知識については正しく調べて確認していただきたいと願うとともに早急の訂正をお願いする旨メールした。
しかしながら
電子書籍なら訂正もできようが、すでに出版されてしまった書籍は版を変えない限り訂正のしようが無く、それで今朝本を読んで気が付いた間違いをここにこのように書く事にした。
紙で印刷して世に出てしまったものはにわかに訂正ができない。
だからこそ著者の方も編集の方も何度も見直しと確認をするのだと思う。
以前にも読んだ本で間違いを見つけて出版社に確認を取ってもらって訂正する旨連絡をいただいたことがあったが、それは専門知識の分野でもあるし人命にかかわる事でも無かったので表には出さなかったが、これから春の山菜採りのシーズンになることもあり、いてもたってもいられずここに書いた次第である。

決して著者や出版社を貶めるつもりはなく、ただ間違いによる危険の可能性を潰したいだけなので誤解のないようにしていただきたい。


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