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神々と見る

昔々山登りをしていた時期があった。
ある快晴の日に
大雪山系の白雲岳山頂から周りがきれいに見渡せて
西の方向、遥か遠くに富士山型の山が見えた。
あの形って、まさか羊蹄山では?
でも、そんなに遠くまで見えるとは思われず
一応コンパスで方位を測ってメモしておいた。
(持参していた地図は大雪山系の範囲のものだったので)
反対方向を見ると、こちらにはとがった大きな山が見えて
これは知床の斜里岳だろうとわかった。
家に帰ってから北海道地図を開いて
白雲岳からコンパスの方向へと線を伸ばすと
…羊蹄山に当たった。
やはり、あの富士山型の山は羊蹄山だったのだ!
それにしても
羊蹄山は白雲岳から南西へ200キロほど
斜里岳は白雲岳から東へ150キロほどだ。
白雲岳の標高2230メートルで
羊蹄山は1893メートル、斜里岳は1545メートル。
高い山からはずいぶん遠くまで見えるものだ。
これが神々の見え方だろうかと思った。
アイヌの神話で山同士が呼び合ったりするのもよくわかる。
もちろん、高い山同士だからできるのだが。
見える距離については三平方の定理と「電卓」で出る。

白雲岳から羊蹄山や斜里岳が見えた日は非常によく晴れて空気が澄み渡っていて、あれほど視界良好だったことは後にも先にもなかった。
実際の自然現象の中ではなかなか図上の計算通りにはいかないもので
計算通りに見ることができたのは
雲も霧もなく空気が澄み渡っていたからこそで
まさに恵みの天候が素晴らしい景色を見せてくれたのだ。
感謝!
ちなみに634メートルのスカイツリーが見られる距離は
スカイツリーからの距離が大体90キロくらいまでだそうだ。
(途中に邪魔になる山や建物が無い場合だが)

画像は飛行機から見えた倶多楽(クッタラ)湖。

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