ベンベルグg

糸から始まる可能性

第3講は、東京ミッドタウン日比谷(旭化成本社内)にリニューアル・オープンした「ベンベルグ裏地ミュージアム+(プラス)」の見学からスタートです。この施設は ”旭化成の創業以来、脈々と受け継がれて来た「ベンベルグ裏地」の歴史と伝統を振り返りつつ、現在の姿を通して裏地の未来を考える場”として2014年に千代田区神保町にあった旧旭化成本社に開設、2018年11月の本社移転にともない、日比谷に移って来ました。

<ベンベルグ>の基本機能(吸放湿性・滑り・制電性)の解説動画と、イタリアの高級スーツブランド・キートンと製作したプロモーション動画を視聴。

画像1

次に<ベンベルグ>の歴史と生産背景の紹介です。1931年に日本で初めて<ベンベルグ>が製造されて2018年で87年になるとのこと。また、1953年に業界初となるチョップ制度(旭化成の品質保証制度)導入の話、販促テレビCMの紹介など、今日までに及ぶ<ベンベルグ>裏地の歩みを詳しく解説していただきました。

ミュージアムの入り口には、延岡工場で実際に動いている紡糸機と巻き取り機の模型が展示されています。その機器で紡がれた原糸も触らせていただきました。ほんとうに柔らかくて軽く脆い。デリケートな繊維だとあらためて実感しました。

その他、民族衣装や高機能インナーなど、アウターとしての新たな製品紹介や、ポリエステルとの吸水性を比較した検証実験、ジャケットの着用体験などを行いました。実際に着用した受講生から、「すべりが全然違う」「軽い」「動きやすい」などの感想が。自分の目で見て肌で感じることで、より一層<ベンベルグ>の機能性に魅せられました。

画像2

こうした歴史や技術とともに、サステナビリティーに関する取り組みも多く知ることができて、時間が足りなくなるほど充実した見学となりました。この「ベンベルグ裏地ミュージアム+」ではおよそ600品番、約3000種類の<ベンベルグ>裏地が所蔵され、アパレル企業や問屋もそのすべてを見ることができるとのことです。

ミュージアム+の見学終了後、続いて恵比寿ガーデンルームで行われた2019 Autumn & Winter <ベンベルグ>アウター素材展示会に訪れました。

画像3

<ベンベルグ>を用いた新作アウター素材が一堂に会す場とあって、日本全国から42社のコンバーターが参加(中国からも1社参加)。多くのアパレル関係者が来場し大盛況です。実際に商談もおこなわれているリアルな現場ですが、今回は特別に見学することができました。

展示会場内は、シーズンテーマや製品ごとのブースで空間が仕切られ、会場を覆うようにずらりと各社のスワッチが並んでいます。この会場に並べられたすべてに<ベンベルグ>が用いられているという事実にまず驚愕です。

自由解散後も熱心にスワッチを一つ一つ丁寧に見て回り、最新の素材に触れる機会を得て、また多くの学びがありました。

画像4

何より、前回の講義でみせていただいた素材開発マップが、最終的にこのような形で展示会に反映され、製品となり多くの来場者にお披露目される。企画から製品になるまでの途方もない工程をほんの少しですがうかがい知ることができて、ある種の感動すら覚えた第3講でした。

ベンベルグ®︎ラボ1期は、早くも後半戦へ突入します。
次回は、富士吉田産地へ行き、撚糸・糸染め・整経・製織・加工の工程を見学します!

事務局

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?