「僕自身をオマケにつけた福袋」が売れた理由 / 山口慶一

こんにちは、最近いろいろなことに手を出していることで有名な『サンクチュアリ出版』の広報をしております、山口です。

僕のことをざっと説明しますと、まぁ…ただ、本が好きな人です。最近だとスピリチュアルな本とか竜の本ばっかり読んでいますね。竜を感じたいなぁ、と思って。(遠い目)

サンクチュアリの前は、本屋さんを10年やっていました。でも、本屋さんって受身の商売で、「いらっしゃい、いらっしゃい!」ってやると怒られちゃう。だから、「つねに売っていい」ってスタイルをやるためにサンクチュアリに入りました。…まぁ結果的に売上が良すぎて広報に飛ばされて、今はイベントを担当しているんですけどね。


…前置きが長くなりましたが、皆さんは、「本の福袋」ってご存知ですか?  実はサンクチュアリ出版では毎年、5冊くらいの本を半額にしてセットにした「本の福袋」を出しており、僕は毎年その販促をしています。

でも、薄利多売の世界なので、本というのは他に付加価値がつけにくい。2018年にはDVDやパワーストーンをつけてみたんですけど、残念ながらそこまで売れず。

だから、編集長にポンと肩を叩かれて、「”去年超え”でヨロシクね!」なんて言われたとき、普通に「やりたくねぇ」と思いました。


「普通にやりたくねえと思った」と語る山口慶一氏


それが、今年の福袋はなんと、全部完売したんです。

付加価値をつけにくい「本」。それに、一体、どんな「オマケ」をつけたと思いますか?

…答えは、「僕自身」です。

…ちょっと言っている意味がわからないと思いますが、今日は、その「僕自身をオマケにつけた福袋」のことについてお話しします。

我々、サンクチュアリ出版は、本を1冊ずつ丁寧に作り、丁寧に売っていくスタンスなので、1ヶ月に1冊というすごい少ない刊行ペースでやっています。だから、何か提供するものにも丁寧さとか”思い”を込めないといけないなと常々思っていました。

とはいえ、毎年売れない福袋の担当になって「もう事故っちまえばいいのに」くらいの嫌な気持ちを引きずっていたら、まったくアイデアが出ないまま、あっという間に年の瀬になってしまった。そんな、12/21の会議のおわりに、ふと編集長が言ったんです。

もう、”山口さん”を付けられないっすかね」って。

…正直、僕も疲れていたんでしょうね。「いいッスよ」なんて生返事をしてしまいました。でも、たしかに苦肉の策ではありますが、僕自身も何かしら「変わったもの」をつけなきゃきっとこの福袋は売れない、という思いがありました。

そこで、とりあえず思いつきで「コーチングセッション」をつけてみました。…まぁ資格持ってないんですけどね。

次に、スピリチュアルなものに興味があったから、「スゴいお祈り」をつけようと思いました。…まぁやり方なんてわからないんですけどね。

でも、わからなかったとしても、どうせ自分が一生懸命やるだけだから、まぁできるんじゃないかなぁって思ったんです。

あ、言い忘れていたけど僕、いい加減なんですよ。

でも、そんなふうにいい加減にデザイナーにポイッと「福袋販売ページ」の依頼をして上がってきたのが、もんっっっのすごいページでした。その瞬間、雷に撃たれたような気がしました。いや、雷に撃たれてそのまま死にたいと思いました。それは、素材もないのに今までに見たことのないような最高のクオリティページだったんです。



僕は、思いました。「こんなダセェやついねぇ!!!!!!」って。

企画に合わせて「買ってくださいねぇ☆」なんてショボい動画も撮っていたんですけど、デザイナーがこんなに最高なページを作ってくれたのに、自分はこんな動画しか作れない。

「これは、お客さんをナメてる!」と慌てて衣装を買い、完璧にセッティングして急遽作り直しました。あんまりヘコむことないですけど、超ヘコみました。



内心超ヘコみながらも笑顔は忘れない山口慶一氏



そうやって紆余曲折あってできた福袋は、とにかく、とにかく、めちゃくちゃ売れました。

当初20セットずつくらいで完売にしよう、って話だったのが、最初の三連休で完売しちゃったので調子に乗って勝手に20セット追加したくらいです。

そして、売れたあともまた、大変でした。今回オマケの1つとしてつけた「コーチングセッション」は、「究極の理想の人生」をはっきりさせるという1時間半でできるワークだったんですけど、それを30人に一対一でやらなくちゃいけなかった。オンライン通話でやるなかで、まぁ何度も回線は途切れるわやっているうちにお悩み相談になっちゃうわで大変でした。相手に何かを与えるよりも、むしろ逆にこちらが教わったり、勉強させてもらったり、得することが多かったです。

でも、ありがたいことにお客さんからの良い声も多かった。収入や感情が安定していない人がいたけど、僕のコーチングによって答えが導き出され、収入の柱を見直すことで収入が増えたとの報告もきました。大変な状況の人が、ちょっとでもそこから離れられるような時間になったと言ってくれました。思いつきのアイデアだったけど、まぁまぁ成功したわけです。

ただ、「スゴいお祈り」のほうは少し失敗しました。「あなたの夢を教えてください」という言葉と供にメールアドレスを書いたチケットを同封したのですが、まず、メールが来ない。夢に対しての祈願を5分くらいのビデオレターにして送ろうと思っていたのに、まぁ〜来ない。でも、かと言ってクレームの連絡が来るわけでもなく、至って何も音沙汰がありませんでした。

では、果たしてお客さんは何を買ったのか。


それは、「何が起こるかな」っていうワクワクとした「空気」を買ったんです。

買われたのは、「スゴい祈祷」そのものではなく、「出版社が何か面白いことをやっている」という事実だったんです。


せっかく買ったのに結局使わなかった神棚



だから、この福袋の成功は、すべてがうまくにハマった偶然かもしれないし、必然だったのかもしれません。いや、元を辿ればデザイナーによるすばらしいページのチカラかもしれませんが(笑)。

僕はいつも本を売りながら、不特定多数のお客さんというよりは、一人一人に丁寧に「向き合っていきたい」と思っていました。本ってなんとなく一方通行的に相手に届くような感じがするし、実際に読者と顔を合わせる機会ってなかなかなかった。

それが、この福袋だと、こんなにも簡単に買ってくれた人と直接顔を合わせることができました。

それを考えれば、たしかに時間や労力はかかったけれど、全然大変じゃなかったな、と思うんです。

成功を収めてしまったからこそ、編集長にまた「来年もよろしくね」なんて言われたらどうなっちゃうんだろう!? なんて思うけど、でも、またどうせ自分が一生懸命やるだけだから、まぁできるんじゃないかなぁって思います。

あまり知られていないかもしれませんが、実はサンクチュアリ出版って「全力」さっていうテーマでやっているんですよ。


ということで、来年も何卒、よろしくお願いいたします。



山口慶一(やまぐちけいいち)
1976年兵庫県生まれ。サンクチュアリ出版イベントチーム。マンガ家を目指すが挫折。現在はタロット占いの修行中。



あとがき


はい、というわけであたかも「山口さん」が執筆したかのように見えますこのnoteですが、実はこちら、”まる見えゴーストライター”・ゆぴ(17)が山口さんに取材を実施し、本人に憑依するようなカタチで執筆しております。

ゆぴ(17)

ことの始まりは2月某日。サンクチュアリ出版の編集長に呼び出され、告げられたのは、「ゴーストライターになりませんか」という意味がわからなすぎるお誘いでした。

要するに、インタビューをするのは私自身ですが、実際に文章に起こすときは、その人に憑依するような形で書き、書いたうえで「あとがき」も担当するというなかなか斬新かつ今までになかった試み。

自分の言葉を文章にして語ることには向き不向きがあります。また、誰しもが容易く文章を書けるわけではありません。だから、せっかく面白いにも関わらず、特に言語化もされないまま、世にでることもないまま死にゆく「ネタ」というものが、サンクチュアリ出版のなかではいくつも宙を彷徨っているそうです。

私は、お誘いを受けてから、しばらく自分の存在意義について自問自答した結果、とりあえず引き受けてみることにしてみました。というのも、私自身も声優という職業を志していることもあり、「自分以外の誰かになりきって演じる」ということに関して、面白みを感じていたからです。

そんな、小説のような、インタビューのような、コラムのようなノンフィクション。サンクチュアリ出版の新しい変わった試みを、どうぞよろしくお願いいたします。


ゆぴ(17)


【プロフィール】ゆぴ(17)
プロ17歳。書いて描いて撮って喋るマルチクリエイター。年齢を言い訳にする大人たちに「心の年齢詐称のススメ」を布教中。 17歳らしい繊細な文章が魅力です。(自称)

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