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社会保険料の本人負担の今昔比較

国会ではこども基金として2026年度より社会保険料から月500円くらいを徴収するという議論があります。
年収によって徴収額が変わったり、27年度、28年度と年ごとに徴収額は増えていきます。28年度からは一定になるのでしょうか。
まだ、国会で議論されている段階なので決定ではありません。

社会保険料とは


そもそも、社会保険料というものは「保険料」という言葉が入っていることからも分かるようにまず目的があって、その目的に対して支払うものです。
「税金」ではありません。
国会議員や官僚は、国民から徴収するならば税だろうが保険料だろうが何でもよいのでしょう。税から徴収すると「増税」になってしまうので、あだ名をつけられた総理からすると保険料でごまかしたいのでしょう。
しかし、そもそもの社会保険料の趣旨からずれるのでこれはあまりにも悪手だと思います。

社会保険料の昔と今の比較


ここで一度、社会保険料はどれくらい徴収されているのか?
昔と比べてどれくらい増えたのか?を考えてみましょう。

2000年と2024年を比較します。
(2000年)
健康保険料率:85/1000
厚生年金保険料率:17.35/1000

(2024年)
健康保険料率:100/1000 
厚生年金保険料率:18.3/1000

当たり前ですが、
少子高齢社会になっているので保険料率は増加しています。
また、2000年から介護保険制度も始まり、40歳以上の人は介護保険料が徴収されることになりました。

さらに2003年4月から総報酬制という制度が運用されました。
言葉が難しいですが、すべての報酬から保険料を徴収しようということです。いままでは月給からの保険料徴収だけで、賞与からの徴収はごく僅かでした。
それが2003年からは賞与についても月給と同じ率で保険料を徴収しようというのが「総報酬制」です。

試算してみると


では、これを実際の収入で考えてみましょう。
年齢:45歳
額面給与:月30万円
額面賞与:60万円×年2回
年収:480万円とします。

2000年の社会保険料(毎月):38775円
2024年の社会保険料(毎月):44850円
※毎月6075円の増加

2000年の社会保険料(賞与): 5400円
2024年の社会保険料(賞与):89700円
※賞与で84300円の増加

給与は年12回、賞与は年2回なので、
6075×12 + 84300×2
=241500円

なんと年間で241500円も社会保険料の負担が増えています。

24万円減で何をあきらめるかな

24万円も手元に残るお金が少なければ、
・旅行には行かなくなるでしょう。
・外食を減らすでしょう。
・洋服にお金をかけなくなるでしょう。
・自家用車を手放すでしょう。

要は無駄な出費を減らします。

失われた30年と言われますが、
そのうちの後半20年は国民の手元に残るお金が減っていたのです。
そうなると世の中にお金は回らなくなります。
これは国として責任を取らなければならないくらいの大問題です。

この大問題を反省もせずに、
次は子どものために社会保険料から徴収しようという議論をしています。
いい加減にしてもらいたいですね。

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