ポケットキャンプに雨は降らない。

昨日は一日中雨だった。先日から再開したどうぶつの森ポケットキャンプを起動してみるも、雨は降っていない。ポケットキャンプには雨が降らない仕様になっているからである。屋外を自分の家具で飾り付けていく都合上、雨が降る仕様を入れてしまうと色々不都合が起こるからだと思う。

南の島の人間はあまり傘を差さない。大雨の日の夕方、中学校からびしょ濡れで帰ってきて、着替えた後にニンテンドー64の電源を入れる。どうぶつの森にも雨が降っている。自宅から主人公が出てきて、おもむろに「ばんがさ」を取り出して差す。 部屋は大雨のつぶてがアスファルトを打ち付ける音に覆われている。

どうぶつの森のことを思い出すと必ずこの瞬間がセットで思い出される。私は好きなものをデータや情報ではなく印象的な瞬間のみで抱えておく質で、つまりそこがどうぶつの森にグッときた瞬間なのだろう。

数ヶ月ぶりに再開したポケットキャンプでは、雑草も生えてなければゴキブリもいない。始めた当初は背景にある雑草を抜きたくなったものだが、抜きに行けない雑草が目に入るのにはすぐに慣れた。管理されたキャンプ場なので誰か(しずえ?)が時々抜いてくれたりするのだろうか? ゴキブリもいないところを見ると、このキャンプ場はどうぶつの森よりよほど衛生状態が良い。

そもそも普段森で暮らしているどうぶつがキャンプをして楽しいのだろうか? 森に住むどうぶつは少数派で、やはり都市部に住んでいるどうぶつが大多数なのだろうか? まあ、テントを張ってワイワイやるのはそれだけで楽しいのかもしれない。

こいつのお願いを叶えるのはこいつのためにならない気がする。

ポケットキャンプはよくできている。面白い。どうぶつの森のプレイング要素をうまく取捨選択して、スマートフォンでプレイできるようにスリムにしている。黙々とやれる。ガーデン関連はちょっとダルい。ハンナがニコニコしていたらそれだけで嬉しい。

ハンナは普段事務員をしているという設定になりました。

ポケットキャンプは面白い。ただ、雨が降らない。昼なのに大雨で薄暗い瞬間がない。雨の中入った博物館の冷えた空気がない。雨の海岸の不穏さがない。大雨の中、部屋に入ってきたどうぶつが傘を閉じる瞬間がない。ポケットキャンプには雨が降らない。

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