一穂ミチさん「光のとこにいてね」 おもろすぎ

一穂ミチさんの小説、「光のとこにいてね」が良すぎました。

僕が過去に読んだ著者の、「パラソルにパラシュート」は、僕が芸人とルームシェアしてたから面白かったんかなと、
「砂嵐に星屑」は、僕がテレビ局に勤めてるから面白かったんかなと、
「スモールワールズ」は、僕がミステリー好きやから面白かったんかなと、
色々理由を考えながら楽しく読ませていただきましたが、
昨年11月発売の直木賞候補作「光のとこにいてね」が、
シンプルにめちゃくちゃ1番面白かったです。
恋愛でもない、友達との距離というテーマで、人間の愛が詰まりまくっていて、魂を揺さぶられる物語でした。
大人になってとりあえず作品を消化するように本を読んでしまう中で、子どもの時のような、ただ本の続きが気になって読みたくなる、合間の時間ができたら物語の続きの世界に戻りたくなるような感覚を久々に味わうことができた素晴らしい作品でした。
メディアが溢れた現代で、映像やらテロップやら音楽やらを組み合わせてなんとか人を楽しませようとみんなが物作りをしている中、文字だけという最もシンプルな手段で人を感動させるという格好良さを感じました。

今年3月に発売された短編集「うたかたモザイク」も読ませていただきました。
「ごしょうばん」「BL」「神さまはそない優しない」が特に面白かったです。
13作、全てが全く違うテイストでこれを全部同じ人が書いてるんかと思うと、表現力の豊かさと持ち合わせている感性の数の底知れなさに震えました。

YouTubeでのインタビュー音声とかも聞きました。フアンです。

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