R5司法試験_再現答案構成_行政法

※一度upした再現答案の構成のみをupします。コメント等くださった方々、申し訳ございません。

第1 設問1 
 1 (1)
(1)処分性の規範
(2)公権力性がある。
しかし、勧告は、一般に処分性が否定
もっとも、医療法上の病院開設中止勧告判例→相当程度の確実さをもって、医療保険についての医療機関の指定がなされなくなるという法令の仕組み、それにより相手方が被る不利益を考慮→よって、本問に同判例が及ぶ
しかし、本問で後続の命令等処分は予定されていない
また、同勧告の不遵守に対する罰則規定がない。
そのため、同判決の射程は本問に及ばない。
また、同勧告に際しては、相手方に弁明の機会の付与。しかし、本来これは同1号イ・ロで聴聞。法は、同勧告を処分と位置付けていない。
(3)よって、同勧告は、「処分」にあたらない。
2(2)
(1) 原告適格規範
 直接に自己の権利が侵害される者は、処分の相手方ではなくとも、相手方に準ずる者として原告適格を認めていると解する。
(2)本件解散命令(法56条8項)により、Dは、社会福祉法人の評議員や役員となる資格を失う(法40条1項5号、法44条1項)。→処分の相手方に準ずる者として「法律上の利益を有する者」にあたる。
(3)よって、原告適格が認められる。

第2 設問2
1 (1)
(1)「重大な損害」(25条2項)については、同3項に沿って検討する。
(2)Aは、複数の社会福祉事業を経営しており、その継続ができなくなると、多数のAの福祉サービス利用者やAの従業員に不利益
 これに対し、B県は、Aの経営基盤は不安定なので、B県におけるAの多数の利用者にも福祉サービス上の被害が及ぶと反論
 しかし、弁護士に対する業務停止3か月判例→生計の維持、信用回復が困難も考慮。
 Aは、B件における同事業の中核。かかる事業は、利用者の生活の拠点。違法な命令でその生命、身体に不利益→事後的な金銭賠償では回復困難
 Aの従業員についても、生計の糧を失うこととなり、事後的な金銭賠償では回復困難
Aの経営基盤が不安定→裁量の逸脱・乱用にあたる判断→同命令がなされずとも、B県の懸念する事態は生じない。
(3)よって、「重大な損害」の要件を満たす。
 2 (2)
(1)B県知事の裁量の逸脱・濫用(30条)
(2)文言、性質から所管庁たるB県知事の要件裁量がある。
 そして、社会通念上、著しく妥当性を欠く場合、裁量の逸脱・濫用にあたる。
(3)B県は、Aから具体的な改善策が示されていないことから、「他の方法により・・・できないとき」にあたると反論
 しかし、Cは、Aの運営改善に向けて努力。社会福祉法人の自主性は、法61条1項2号においても要求されている重要事項→B県知事の判断は、かかる自主性を考慮せず、考慮不尽
 また、B県知事は、今回の不正がDに起因することを認識しながら、本件解職命令の拒否を本件解散命令において重視→他事考慮がある。
 また、B県の従前例から、同命令においては、不正金の額、その後の協力態度や破産の可能性も考慮。本件では、上記のとおりCの協力があり、またAが経営破綻の状況にもない→平等原則に反する。
 よって、同命令は、社会通念上著しく妥当性を欠く。
(4)よって、裁量の逸脱・濫用があり違法であるから、Aはこれを主張すべきである。


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