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CEATEC 2023で人間と技術について考える

幕張メッセで開催されたCEATEC 2023に行ってきた。CEATECを観るのは、今回が初めて。ここでは、ニュース記事で取り上げられるような大手企業の研究開発の展示ではなく、自分がなぜか気になったもの、気になって話を伺ったものについて紹介をする。目を引く展示については触れていないので、各種メディアで確認していただきたい。

Gatebox

以前より実物を見たかったプロダクト。てっきり、Looking Glassのような裸眼対応の3Dディスプレイだと思っていたので、そうではないことを確認。

磁性体技術を使ったアクチュエータ(HAPTICORE)

ダイヤルに磁性体技術を組み込み、手で回転させた時のフィードバックを生成する。回転時に、カチカチと取っ掛かりがあるようにしたり、抵抗を増やしダイヤルを重くしたり、完全にロックすることもできる。機構が一つでこれが実現できるのが特徴。体験として面白く、いろいろな応用ができそう。

SONYブース

長蛇の列だったためスキップ…。

量子暗号通信

東芝ブースにて。会場では、「量子」のキーワードもちらほら目にした。

3次元計測アプリ「Rulerless」

スマホのLiDARスキャナを利用して、水害の被害家屋をスキャンし、被害状況を把握するためのソリューション。実際に操作をしてみるとおどろくほど簡単に3Dデータが生成され、ビューアーで参照できる。自動車保険などの保険の領域でも活用が期待されているようだ。

E Ink Japan

年々とは言わないが、見かけるたびに進化している印象を受けるカラーのE Ink。

JEMAPS

JR東日本の社内外データをリアルタイムに分かりやすく地図上に表示するデジタルツイン プラットフォーム。この手のものにしては、ビジュアルが良かったので、一般ユーザーにも使えるようなサービスになってくれると嬉しい。

NEXCO 中日本

「SNS情報を活用した道路状況の把握の迅速化」。XなどのSNSの情報も、状況の把握に使用する施策。自分たちの人員、設備だけでなく、外部の情報も活用しようとしているのは、意外だった。

積雪発電

青森県を拠点に開発を行うIT企業と大学機関による共同研究。積もった雪の冷たさと太陽光などを含む外気との温度差を利用してタービンを回し、発電する技術。実証実験中で、降雪時の除雪などに活躍が期待される。

ハンコ型電子印鑑

たまたま通りかかったステージでプレゼンしていた「ハンコ型電子印鑑」ソリューション。まさかの印鑑の形状をしたデバイスでスマホに「押印」するスタイル。思わず二度見。

パリティミラー

今回のCEATECで驚いた展示品のひとつ。
スタートアップエリアの一番端のブースで展示されていた結像光学素子の樹脂製品。電気を必要とせずに、このミラーに特定の角度で物体や映像を映すと、映像が空中に浮かび、裸眼で立体的に見える状態になる。なにより、電気を必要としないのが特長で、低価格なのもうれしい。

非金融ブロックチェーン

CEATECでブロックチェーン関連の展示をしているのは、自分が見た範囲では、このブースくらいだったかもしれない。ブロックチェーンのNFTなど金融領域ではない産業への具体的な活用例について把握できたのは大きな収穫。「非金融ブロックチェーン」という表現が、企業の金融領域でのブロックチェーンへの悪印象を象徴しているようで興味深い。

トラベルテック

観光は日本にとって、大きな産業の一つなのは間違いない。観光予報も含め、トラベルテックも同様。願わくば、集客のためのソリューションだけでなく、旅行者が快適に旅行ができるためのプロダクトやサービスが提供されることを祈るばかり。

人間とテクノロジー

やはりAIというキーワードは、数多くの展示で目にした。労働者人口の減少が確定している日本で、AIがアシストする場面が多くなるのは必然だと思う。また、ロボティクスやドローン、無人化技術も必須で今後、急速に進化するだろう。

人間をセンシングする技術、人間へのフィードバックする技術も色々なアプローチが行われ、人間がデジタル空間や機械との接続、一体化も進むだろう。同時に、人間の肉体や行動の理解も進むに違いない。

今後、物理的に人間が減少することが確定している社会で必要なのは、企業の利益追求だけでなく、社会や環境を崩壊させないアクションのように思う。それは、恐らく国や行政だけでは実現できる状態ではなく、そのために、さまざまなテクノロジーを使ったアプローチが必要だろう。

ただし、テクノロジーはあくまでも手段であり、テクノロジーのために人間が存在する訳ではない。ハイデガーの人間と技術との関係についての指摘を思い出す。

技術は単なる器具ではなく、世界を理解する方法であり、人間の制御を超えて発展し、その結果、人間は技術によって束縛され、自然や他者との真の関係を見失う可能性がある。

要約:「技術についての問い」(The Question Concerning Technology)


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