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有機食品ってどうよ

有機食品(オーガニック)っていいですよねー。安全だし。美味しいし。
はい、じゃぁ有機食品って何でしょうか?
農林水産省によると
「農薬や化学肥料に頼らず、環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産される有機農産物と有機畜産物、それらを原料にした有機加工食品のこと」
ところが、これは実は間違いなのです。
試しに、この方法で生産した食品を「有機野菜」と書いて販売すると怖い人が来て捕まります。
正解は
「有機認証を取った物」
が有機食品となっています(日本の場合)。海外で一般的なECOCERT(エコサート)やUSDAのオーガニックマークをつけていても、日本の有機認証マークがついていないと違法です。
直売所で、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが無農薬の野菜を有機野菜って書いも違法なのです。
じゃぁ、「認証取ればいいじゃんさ」って思うでしょう?これが高いんです。特に海外だと偉い人二人分の接待、もとい、旅費(ビジネスクラス)やら滞在費やらで百万円くらいかかります。国内はそこまででも無いですけど、何か臭いますよね。

アメリカのオーガニック市場は巨大

きな臭い話は別として、有機食品と言うのは農薬や化学肥料に頼らない(この言い回し、微妙ですよね。使わないではない)食品です。
あれ?では安全性や美味しさは関係無いんじゃね?
その通りなのです。有機食品が安全で美味しいと言うのは単なるイメージです。結果として美味しい物が多いのは事実ですが、それは別問題。
有機栽培に使える農薬や肥料は結構多いのです。
有機JAS規格では、農産物に重大な損害が生ずる危険があり、農薬の使用以外には効果的な防除ができない場合には、使うことのできる農薬を定めています。除虫菊剤、銅や硫黄を成分とした薬剤、天敵や微生物などを用いた生物農薬、性フェロモン剤など。
有機栽培は無農薬栽培では無いのです。


社名でも違法です

もっと掘り下げると無農薬・有機肥料は安全なのでしょうか?
アメリカでは何度か、オーガニック野菜から病原性大腸菌が検出され、死者も発生しています。糞便由来の肥料には大腸菌が混入しており、農産物を汚染しやすいためです。オーガニックは安全と言う思い込みから生食する人が多いのも原因でしょう。
また、在来農法に比べて有機は苦味や渋味が多い傾向が強いです。これは、虫から身を守る為に野菜が渋味を出していると言われており、微量ながら毒素もあります。忘れてはいけませんが、人工物よりも毒性の強い天然物質は多いのです。
勿論、有機の方が危険というお話ではありません。在来農法と有機農法でどちらが安全かというのは、管理された農薬と自然に出てくる毒性との比較に過ぎないのです。

ジャカルタに自生するヒマワリも有機にはなりません

だけど結局有機食品の方が美味しいだろ!って言うご意見、ごもっともです。実際、大概の場合は有機の方が美味しいです。
これは、有機食品の生産は本当に大変なので通常よりも手間もコストも多くかかっているお陰だと思います。
日本で一般商品は安ければ安いほど良いと買い叩かれるので品質を上げる方向に努力が向きにくい状況ですが、有機なら高くても売れる付加価値になります。どちらが高品質になるかは自明ですよね。

ただ、大変残念なのは日本の有機食品で虫食いや汚れを理由としたクレームが大変多い事です。農薬も嫌だけど虫も嫌だと言われてしまうと、真面目な農家さんは報われません。
虫も細菌もいない工場の水耕栽培は見た目はキレイですが、季節性や特有のクセが無く、どれも同じ様な味になってしまう傾向があります。
なんだか日本の農産物ではなく人間の話みたいですね。

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