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フィンランド・グラスアート輝きと彩りのモダンデザイン @東京都庭園美術館

春の終わりに訪れた東京都庭園美術館があんまりにも素敵だったので、この夏の展示にも伺ってきました。

春の展示「邸宅の記憶」展のnoteはこちら。


概要

フィンランド・グラスアート 
輝きと彩りのモダンデザイン

会期:2023年6月24日(土)–9月3日(日)
会場:東京都庭園美術館
休館日:毎週月曜日 (ただし、7月17日は開館)、7月18日(火)
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:身体障害者手帳の提示で付き添い者1名まで無料
(今回、オンラインでの日時予約が必要とHPにあったので日時予約をして行ったのですが、手帳を提示すれば日時予約も不要と受付で教えてもらいました!びっくり!)

展示

今回の展示もカメラでの撮影が可能だったので、何枚か写真を撮ってきました。このnoteも、写真を中心に綴ります。

邸宅の記憶とか

夏の青空が気持ち良い日のこと。春はツツジでいっぱいだった正面玄関も、緑が生い茂っていました。

ひとつひとつこだわりの照明
いわく付きのヒビ入りの肖像
ひとつひとつ丁寧に選ばれたタイルたち

前会期の「邸宅の記憶」展で建物に込められた思いをたくさん知っての旧朝香宮邸。玄関に入ったその瞬間から、お姫様のお城に来たような感覚になれる不思議な空間です。

ガラスだから自分が写り込んでしまうけれども、それもまた乙だなって思っています。えへへ。

邸宅に展示されるという醍醐味

邸宅という空間を存分に使った展示がまた素敵。フィンランドガラス、特にイッタラの作品は、昨年に渋谷のBunkamura museumで行われた展示でも目にしたものが幾つかあったけれども、会場が違うだけでまた、作品の見え方もまた異なるような気がしました。

特に素敵だなぁと思ったのは、アアルトのフラワーが大食堂に展示されていたこと。

アートだけれども、生活の中で使われるものを……というイッタラの思想と、この大食堂にフラワーが展示されるというのはなんだかとてもしっくりきました。

木で作られた型は、大量生産の証。

この、The アールデコ!って感じの階段も大好きです。ちなみに次会期は、「装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術」らしいので、また楽しみができました。

ガラスの作る影の美しさ

今回展示された作品たちを見ながら思ったのが、とにかく影が美しいということ。ガラス自体ももちろん美しいのだけれども、もしかしたら影はそれに勝るかもしれないなんて思ったり。

色がないものの透き通るようや影はもちろんのこと、彩色されたものの織りなす影もまた実物とはちょっと異なる色合いで。実物と影を交互に、うっとりと眺めてきました。

今回の展示は、魅せ方がとにかくおもしろい!に尽きる展示の数々でした。

わたしのなかの「かわいい」大賞

でも、そのなかでもお家にお迎えしたい!と思ったのはこの2点。

シンプルに絵柄がかわいいんです。こういう素朴だけれども緻密に描かれた作品をみると、つい「かわいい……」と呟いてしまいます。モニュメントとかも圧倒はされるけれども、やっぱり自分の生活を振り返ったときに「ここに欲しいな」と空想を膨らませてくれるような作品が好きなのかもしれません。

音の世界と音のない世界の狭間と、障害者割引

そういえば、冒頭の概要で東京都庭園美術館は身体障害者手帳の提示で本人と付き添い一名が無料で鑑賞できる施設だと紹介しました。この割引、いろいろな意味があって用いられているものなのだけれども、そのうちの一つに

障害者が健常者と同等の情報を得られないかもしれない場面があります。ご了承ください。

の意があります。たとえば、ラジオのような音声コンテンツがたくさんあるとか動画に字幕がついていないとか、そういう。でも、東京都庭園美術館の展示はすべての動画に字幕がついていて、ラジオ等の展示もありませんでした。

だから、この美術館は都立の施設ということもあるので、きっと

障害者の社会参加資源のひとつとしてご活用ください

の意なのかな、と感じています。美術館ってちょっと敷居が高いけれども「無料だったら……」と足を運びたくなります。また、周りの人たちの声、全部聴き取れないしな……とつい引きこもりがちでも、「わたしと一緒だったら無料なんだけど、どう?」と誰かを誘う口実にもなります。

おしゃべりをするにしても目の前の展示物を媒介に会話ができます。そのため、相手の口の形が読み取りずらかったり手話が苦手な人だったりしても、相手の話す内容を推測しやすい場です。どうしても読み取れなかったら作品鑑賞に集中すれば良いし、新館のカフェは木漏れ日が綺麗に入る明るい空間なので筆談にもぴったり。

実際に、障害者や子連れが来館することを想定した鑑賞日である「フラットデー」も設けられている東京都庭園美術館。

次回の展示もまた、楽しみです。

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